給与 SALARY

年俸制と月給制、いったいどちらを選ぶべき?それぞれのメリット・デメリットを検証

更新日:2018.11.9
公開日:2018.7.11

自分の状況や考え方に合った給与体系を選ぶのがベスト

額面の金額だけでなく、すべての条件を加味して把握することが大切

転職をする際に、待遇面で「月給制」がいいのか、それとも「年俸制」がいいのかというのは、悩むところです。年俸制の方がもらえる額がはっきりとわかって、気持ち的にはスッキリとしますが、「住宅手当も出ないなんて、日本人の感覚的にどうもしっくりとこない」と考える人も多いでしょう。

また、「年俸800万円」など書いてあると、思わずその金額につられて「今までの年収よりもずっと多い」と感激し、細かく調べずに転職を決断してしまう人もいます。ところが入社してから「残業がものすごく多いのに、残業代がまったく出ない!」と気付いてガックリ。「これじゃあ月給制の方が良かった」とボヤいても、すでに後の祭りです。

報酬額については額面の金額だけでなく、すべての条件を加味して把握しないと、後悔してしまうこともあるのです。

月給制がいいのか年俸制がいいかは、どちらとも言えない

月給制がいいのか年俸制がいいかは、単に仕組みの違いなので、どちらがいいと断定することはできません。たとえば独身主義の人にとって家族手当は必要ないでしょうし、最初から残業が多いとわかっている人にしてみると、残業代が出るかどうかは死活問題です。

能力を評価してほしいのか、生活の安定を望むのかなど、報酬にたいするスタンスの相違もあります。いろいろな側面を考えて、最も自分に合った給与体系を選ぶのが、得策といえるでしょう。

ここでは月給制と年俸制それぞれの仕組みと、メリット・デメリットをご紹介し、どこがどう違うのかを明確にしたいと思います。

1年を単位として給与額が決まり、毎年見直しになる「年俸制」

「年俸制」とは、1年を単位として給与額が決まり、毎年見直しになる給与システムのことをいいます。日本では年俸を単純に12分割した金額が毎月支払われるケース、年俸を12分割した金額の他に賞与が支払われるケース、年俸を16分割して毎月の支払いとは別に4ヶ月分の賞与が支払われるケースの、3種類があります。

年俸を12分割して、毎月一定額が支払われるケース

年俸制を導入している会社では、年俸を単純に12分割して、毎月一定額を支給するケースが数多くあります。海外の年俸制も、主にこの形態を取っています。

たとえば年俸 720万円の場合
720万円÷12ヶ月=60万円
という計算になり、毎月60万円が給与として支払われます。

年俸を12分割して毎月一定額が支払われると共に、それ以外に賞与が支給されるケース

年俸を12分割して毎月一定額が支払われると共に、それ以外に賞与が支給されるケースもあります。

たとえば年俸 720万円の場合
720万円÷12ヶ月=60万円
という計算になって毎月60万円が給与として支払われますが、それ以外に夏冬のボーナスが
夏 35万円
冬 50万円

というような形で支払われます。

ボーナスの金額は会社によって違いますが、この場合のトータルの年俸は
720+35+50=805万円
となり、ボーナスの無い会社に比べてだいぶ高くなります。

年俸を16分割して、毎月の支払いとは別に4ヶ月分の賞与が支払われるケース

年俸を16分割して、毎月の支払いとは別に4ヶ月分(夏冬2ヶ月分)の賞与が支払われるケースもあります。

たとえば年俸 720万円の場合
720万円÷16ヶ月=45万円
という計算になって毎月45万円が給与として支払われますが、それ以外に夏冬のボーナスが
夏 45×2=90万円
冬 45×2=90万円

というような形で支払われます。

トータルの年俸は720万円なので、720万円を12等分して60万円ずつ支払われるのと何ら変わりはないのですが、「夏と冬にはボーナスがあるのが当たり前」というのが頭に刷り込まれている日本人には、合っているシステムといえるでしょう。

16等分して夏冬2ヶ月ずつ支払われる企業のほかに、13等分して冬にのみ1ヶ月分のボーナスが支払われる企業など、ボーナスの支給方法もさまざまあります。「本来は年俸のみなのだけれど、1ヶ月分でもボーナスとして支払われれば、特別感があるだろう」といった計らいからなのでしょう。

海外の年俸制はどうなっているの?

日本の年俸制は、海外の年俸制を若干アレンジした形になっていますが、では本家本元の海外では、いったいどんな年俸制のスタイルになっているのでしょうか?

マネージャーや管理職クラスには、自分の能力の対価のみが支払われる。

アメリカの一例をご紹介すると、アメリカの給与形態には2種類あり、マネージャー以上の管理職や専門職のように、時間で換算できないポジション(エグゼンプト)の人は、基本的に年俸制オンリーです。契約した金額を単純に12等分したものが、毎月支払われます。本人が希望すれば、1ヶ月に2回、2週間に1回といったタイミングで支払ってもらうこともできます。

エグゼンプトの人には、当然ながら残業代もなければ、ボーナスもありません。「どれだけの成果を出したか」が、評価の対象になるからです。ただし、企業によってはその年の業績次第では「インセンティブ」が支払われることもあります。年俸は1年に1回見直され、業績が良ければ大幅にアップすることもあり得ます。

事務系や作業員などには、1時間あたり50%増しの残業代が支払われる。

それとは別に、一般事務職や作業員などのように時間で換算できるポジション(ノン・エグゼンプト)の人は、労働法に従って1週間に40時間を超える労働をした場合は、残業手当として1時間あたり50%増しの金額が支払われます。

ただし、ノン・エグゼンプト労働者が残業をすることは実際にはあまりなく、労働時間内できっちり働き、私生活を充実させている人が多いようです。「残業代が倍も出るならあくせく働かなくちゃ」と思う日本人とは、時間の使い方に対する意識が違うようです。

アメリカでは交通費も自分持ち!

日本では自宅から会社までの交通費を、当たり前のように受け取っていますが、アメリカはそうではありません。マイカー通勤したガソリン代も車のメンテナンス費用も、基本的に自分持ちです。

車をよく使う営業マンなどの中には、メンテナンス費用を受け取っている人もいるようですが、多くの人は移動手段に関して手当てをもらうことはありません。「労働力を提供して対価を受け取る」という意識に徹した、アメリカらしい考え方といえるでしょう。

日本とアメリカでは、給与に対する考え方が違う

日本では、仕事の成果を出すことだけでなく、残業をいとわずに働く会社への忠誠心のようなものが評価される傾向があります。結果ではなく、そこに至る過程でどれだけがんばったかが、評価の対象になるのです。

ところが、アメリカでは“会社への忠誠心”などは一切評価の対象にはなりません。結果がすべてであり、また結果さえ出せば次年度に大幅な年俸アップもあります。

日本も最近はこうした考え方にシフトしつつあり、年俸制を導入する企業が増えてきました。もしも年俸制を導入している企業への転職を考えるなら、こうした考え方を自分が持てるかどうかも考える必要があるでしょう。

年俸制のメリット・デメリット

年俸制のメリット

実力次第で大幅な年俸アップが期待できる

これは年俸制の最も大きなメリットですが、実績次第でグンと年収が跳ね上がることもあり、社員としては大きなやりがいを感じられます。もっとも、日本の場合は海外のように報酬が乱高下するケースは多くはありませんが、少なくともやんわりと報酬額が変わっていく月給制よりは、成果を反映してくれることは確かです。

「自分の実力を正当に評価してほしい」という気持ちが強い人は、頑張れば頑張るほど昇給できるので、モチベーションを高く持って働くことができます。

無駄な残業時間が減る

年俸制には基本的に残業手当が無いので、「残業代で稼がなければ」という日本によくありがちな“無駄な残業”をする社員が少なく、退社時間に縛られない傾向があります。残業ゼロの運動などが進む中で、これは企業にとっても社員にとっても、いい傾向といえるでしょう。

年俸制は年間の支払金額が決まっているので、長期の計画を立てやすい

月給制の場合は、会社の業績が悪かったり、仕事で失敗をしてしまった場合などには、法律の範囲内で減給になる可能性があります。その点、年俸制は1年間の報酬額が決まっているので、少なくとも向こう1年間の金銭的な計画を立てやすいというメリットがあります。

年俸制のデメリット

毎年の報酬見直しで、大幅に減額されることもある

月給制は会社の業績不振や本人のミスなどがなければ、少しずつ上がっていくのが通常のパターンです。ところが年俸制は、毎年1回報酬額が見直されるので、前年の業績が悪いと突然大幅な減収を余儀なくされることがあります。

年俸があまりに低くなってしまうと、「同僚があれだけもらっているのに、なぜ俺はこれしかもらえないんだ」といった不満が生まれ、やる気が無くなってしまう社員も出てきます。

安定した生活が保障されない

年度によって年収が大きく変わると、毎月の家計に使える金額が毎年変わってしまうので、安定した生活が保障されません。特に住宅ローンなどのように長期にわたって支払うものは、いま無理なく払えても来年はどうなるかわからないので、いったいいくら借りたら良いのか迷う人も多いでしょう。

その状況がずっと続くということは、精神的にも安定せず、常にサバイバルな気持ちでいなければなりません。

「業績に対する評価が曖昧」と社員が不満に思う

年齢や勤務年数・業務態度などを細かく評価して決定する月給制に対して、業績優先の年俸制の評価は難しく、「査定の基準が曖昧なのではないか?」と社員が不満を持つ可能性があります。

サービス残業が増える

年俸制には基本的に残業代が無いため、仕事を大量に任されて残業をしても、すべてサービス残業になってしまいます。年俸制にしておきながら、必要以上に上司から仕事を与えられてしまった場合は、「こんなことなら月給制の方が良かった」と思う社員もいるでしょう。

毎月基本給が支払われ、手当が付く「月給制」

「月給制」とは、毎月基本給が支払われ、それ以外に残業手当や家族手当・住宅手当などの手当が追加されて支払われる給与体系のことです。

実績に応じて毎年報酬額が変わる年俸制と違って、社員の勤務年数や年齢・役職に応じて少しずつ金額が上がっていく傾向があり、会社の業績や本人の実績が上がった場合にはボーナスが支給される仕組みになっています。

月給制のメリット・デメリット

月給制のメリット

今まで慣れ親しんできた経緯があるので、不満が出にくい

月給制はこれまでの日本企業でずっと慣れ親しんできたため、「成果が報酬に反映されない」などとぼやきながらも、月給制であることにはあまり抵抗を感じていません。逆に年俸制は今までの日本人には馴染みのないシステムなので、さまざまな点で不満を感じることがあり、不満の火種になりかねません。

もともと日本人は農耕民族なので、皆で協力してひとつの仕事をしてきた歴史があり、「自分が活躍したのだから高給で当たり前」と主張する人もあまりいません。そういう点では、「月給制を導入しておけば波風は立ちにくい」といえます。

安定した生活を送ることができる

月給制の最も大きなメリットは、年俸制のようにその年によって収入が大きく変わることが無く、安定した生活を送ることができる点です。年俸制のように魅力的な報酬額ではありませんが、少なければ少ないなりにやっていく生活が身につくので、大きな家計の変動にうろたえることもありません。

ボーナスが出る

月給制は基本給がさほど高くない分、会社の業績に応じて「ボーナス」が支給されます。生活のベースは毎月のお給料でまかなうので、ボーナスは臨時収入として好きに使うことができます。「ボーナスが出たら旅行に行こう」「車のローンの頭金にしよう」といった夢が持てるのは、月給制ならではの嬉しさといえるでしょう。

年俸制でもボーナスを導入している企業はありますが、多くは年俸からボーナス分を確保しておくので、「今年はいくら出るのだろう?」といったワクワク感はありません。

残業代や休日出勤手当がでる

年俸制は残業や休日出勤をしても基本的に手当が出ませんが、月給制は残業をすれば残業代が出ますし、休日に出勤すれば休日出勤手当が出ます。大変な思いをした分、見返りを受け取ることができるので、「先月はメチャクチャ忙しかったから、今月はそのお金でパ~ッとやろう」といったストレス発散もできます。

もともと日本の企業は全体的に残業が多いので、きちんと残業代が出る方が得だと考える社員は、少なくないでしょう。

住宅手当や家族手当などの各種手当が出る

まさに日本人らしさを物語るようなメリットですが、月給制を導入している企業の多くは、「住宅手当」や「家族手当」などの各種手当を設けています。

平成27年就労条件総合調査の結果によると、住宅手当の平均支給額は17,282円で、従業員1,000人以上の大企業に至っては平均21,671円もあります。年間20万円以上になると思うと、なかなか馬鹿にできない数字です。

住宅手当には、家賃を援助するという意味合いがあり、相場は1~2万円ほど。少ない企業は数千円ですが、高い企業では5万円を超える場合もあり、これもまた馬鹿にできない数字です。

こうした手当てが年俸制には無いことを考えると、いちがいに年収が高いからといって喜んでばかりもいられないことがわかります。

月給制のデメリット

実績に応じた大幅な報酬アップが望めない

これは月給制の最も大きなデメリットです。もう何十年も前から年功序列制度の中で言われてきたことですが、月給制はコツコツと階段を上るように金額が上がっていくことが多いため、「自分は入社後にこんな実績を上げて会社に貢献した」と思っても、大幅に報酬がアップすることがありません。

「自分の実力を正当に評価してもらいたい」と考える人は、年俸制を導入している会社に就職をした方が、納得できるかもしれません。

やる気のない社員が生まれる

月給制を導入している企業の中には、たいして会社に貢献していないにもかかわらず、会社に長くいるというだけで高給を保障されている人もいます。働いても働かなくても高いお給料がもらえるのであれば、自然と働かなくなってしまうのが、人間というものかもしれません。

やる気のない社員を雇うのは、企業としても損失ですが、デメリットはそれだけではありません。「会社に行って、座っていればお金がもらえると思っている社員が、頑張っている自分よりも高給をもらっているのなら、頑張るだけアホらしい」という気持ちにもなってしまう社員もいます。

せっかくやる気満々で会社に入ってきても、だんだんとナアナアの関係になってしまう可能性があるのが、月給制の大きなデメリットです。

何かイレギュラーなことがあると、予期せぬ減額に困ることもある

年俸制は1年間の報酬額が固定ですが、月給制の場合は不祥事などで会社の業績が急に悪化したりすると、早い時期に報酬が減額になる可能性があります。そのため、何の心の準備もなく減給になってしまうと、いきなり生活に困窮することも考えられます。

転職による収入アップに関するまとめ

年俸制と月給制それぞれの特徴をお話ししてきましたが、現実としては日本も少しずつ年俸制に傾く傾向にあるようです。月給制のメリットである住宅手当や家族手当を支給する企業も、少しずつ減っているため、「住宅手当や家族手当が出るから月給制で良かった」と喜んでいると、将来的に無くなる可能性はけっして低くないでしょう。

さらに、ここ数年は国を挙げて女性の雇用を推進しているので、男性の給与に配偶者の家族手当が付くという考え方も、無くなりつつあるようです。「男性が働いて一家を養う」という感覚は、もはや過去の姿であり、逆に女性が労働者として働くことで生まれてくる手当もあるかもしれません。

このように、給与体系は時代と共に、常に様変わりしています。こうした時代背景なども踏まえ、10年後・20年後を見つめた上で、どちらの給与体系がいいのかを考える必要があるでしょう。

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