治験コーディネーターへ転職する5つのメリット、3つのデメリット!仕事内容や年収についても解説

更新日:2021.1.8

「治験コーディネーター」への転職を考えている人のために、治験コーディネーターがいったいどんな仕事なのか、未経験で転職した当初の年収や、キャリアを積んだときの年収、治験コーディネーターに転職するメリット&デメリットなどについてご紹介しましょう!

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治験コーディネーターに転職するメリット・デメリット

治験コーディネーターに転職するメリット

夜勤がなく、女性が育児と仕事を両立できる

治験コーディネーターは夜勤がなく、残業や土曜出勤はあるものの、自分でスケジュールをコントロールできるので、結婚・出産・育児といった一大ライフイベントを乗り越えて働き続ける女性が数多くいる職種です。

看護師から治験コーディネーターに転職した人は、治験コーディネーターの仕事に肉体労働が少ないことも、家事や育児をしながら働く上で大きなメリットと考えているようです。

経験を積むことで比較的高い給与がもらえる

治験コーディネーターの初任給はそこまで高くありませんが、看護師のような夜勤手当がないにもかかわらず、経験を積むことによって500万円前後の年収がもらえるというのは、女性の年収としてはけっして悪くないといえるでしょう。

もちろん、上記の「CRCの年収」グラフを見てもわかる通り、看護師や薬剤師、臨床検査技師、臨床開発モニターなどに比べれば、年収は下がります。

ただし、治験コーディネーターは看護師や臨床開発モニターに比べて子育てとの両立がしやすく、その点は女性にとって大きなポイントといえます。

高収入と働きやすさを天秤にかけたときに、どちらを選ぶかは、自分のキャリアプランを立てた上で慎重に行う必要があるでしょう。

専門的なキャリアを積むことができる

治験コーディネーターの仕事を続けていると、医療や製薬に関するさまざまな知識をもつことができ、専門的なキャリアを積んで着実にキャリアアップすることができます

仕事は基本的に自分の裁量で決められるので、さまざまな人の予定を調整しながら、より迅速かつ的確にスケジュール管理を行うスキルを磨くこともできます。

キャリアを積むことによって、コミュニケーション能力や調整能力に磨きがかかり、「あの人に治験を任せればスムーズに進む」といった信用を得ることもできるでしょう。

治験コーディネーターには日本SMO協会CRC公認資格や、SMONA公認CRC資格、日本臨床薬理学会認定CRC資格といった資格もあるので、それらに挑戦することでさらにキャリアに箔をつけることもできます。

治験のプロとして、長く安定した就労を確保できる

超高齢化社会に突入したこの時代にあって、国としても数々の治験を行い、国民の病気の予防・治療を推し進めようとしています。

その中で、治験コーディネーターとしてのスキルを積むことは、治験のプロとして長く安定した就労を確保することにつながるでしょう。

ただし、治験のどの領域においても将来性が大きいかというと、そうではありません。

たとえば悪性腫瘍の領域においては、治験契約届出件数が大幅に伸びていますが、循環器や糖尿病などは年々減少傾向にあります。

その点も踏まえて、将来性のある案件をもつSMOに所属するのが得策といえます。

やりがいを感じられる

多くの治験コーディネーターが感じているのが、「仕事へのやりがい」です。

自分が新薬開発のための治験にかかわることで、新たな薬が世の中に送り出され、多くの人の役に立っていくのを実感することができるのは、治験コーディネーターにとって非常に大きなやりがいにつながるでしょう。

新薬の開発現場でも、実際にその薬を使った患者さんの症状が改善されていくのを、目の当たりにすることができます。

また、治験コーディネーターは医師や看護師・製薬会社の社員などの調整役なので、自分が中に入ることで迅速かつスムーズに治験が進んだときは、コーディネーターとしてのやりがいを感じることができます。

治験コーディネーターに転職するデメリット

初任給が安い

看護師や薬剤師としてバリバリ働いていた人が治験コーディネーターへの転職を考えるときに、まず感じるのが「給料が安い」ということです。

先にご紹介したCRCバンクの「CRCの年収」のグラフにもありますが、治験コーディネーターの20代の年収は看護師や薬剤師などに比べてかなり低く、そのことに不満を感じる人も多いでしょう。

ただし、3~4年勤めればグンと年収が跳ね上がるので、看護師や薬剤師のようには稼げないものの、その時点である程度満足できる人も多いようです。

自宅⇔オフィス⇔医療施設の移動が意外と大変

治験コーディネーターはさまざまな医療施設を回る仕事なので、「今日は午前中にA病院、午後はB病院に行って帰りにオフィスに寄る」といったスケジュールになることもあります。

春や秋の晴れた日は苦になりませんが、猛暑の日や極寒の日、大雨の日などは、移動のある仕事を苦痛に感じることもあるでしょう。

スケジュールがタイトなときなどは、移動の時間がギリギリでランチを食べ損ねるといったことも、よくあります。

ただし、自分がどのような予定を組むかによって、その辺はだいぶ改善される場合もあります。自分の移動スケジュールを工夫して、できるだけ楽な予定を組むことも、コーディネーターの手腕のひとつです。

被験者のクレームに対応するのが辛い

治験の被験者の中には、「普通のアルバイトよりも報酬が割高だから」と治験に参加したものの、度重なる採血などによる身体的・精神的な負担から、不安を感じる人も少なくありません。中には体調不良を訴える人もいます。

そうした被験者の揺らぐ心を和ませ、体調次第では緊急の対応をとるなどして無事治験を終了させるのも、治験コーディネーターの重要な仕事です。

治験は言ってみれば“公の人体実験”なので、ときにはストレスから治験コーディネーターに心ない言葉を浴びせる治験者もいるでしょう。

そうした治験コーディネーターならではの辛さもしっかりと受け止め、強い心で仕事に臨むことも大切です。

治験コーディネーターになるには

多くの治験コーディネーターが「SMO」に所属

治験コーディネーターになるには、医療機関に直接雇用される「院内治験コーディネーター」になる方法と、「SMO(Site Management Organization)」と呼ばれる治験施設支援機関に所属して、そこから各医療機関に派遣される方法とがあります。

ただし、院内治験コーディネーターは医療機関の職員が異動によって治験担当になるケースが多いので、未経験の人が院内治験コーディネーターになるのは難しいでしょう。

そのため、多くの治験コーディネーターは「SMO」の採用試験を受けて社員となり、そこから医療機関に出向いて仕事をしています。

看護師や薬剤師、臨床検査技師の経験を活かせる仕事

治験コーディネーターになるための資格は特にありませんが、看護師や薬剤師、臨床検査技師の仕事に就いていた人は、資格や経験を活かして活躍することができます。

治験コーディネーターに向いているのは、誠実で明るく、きめ細やかな気配りのできる人です。さまざまな人と関わる仕事なので、コミュニケーション能力が高いことは非常に重要です。

また、医療関係の書類を理解する力や、薬理・統計解析・薬事関連法規などを理解する力、治験のチーム全体をまとめる調整力、パソコンなどの機器を使いこなせる事務処理能力も必要です。

治験コーディネーターとは、こんな仕事

製薬会社が実施する「治験」のコーディネートを行う仕事

「治験コーディネーター(CRC/Clinical Research Coordinator)」とは、製薬会社が新薬開発の最終過程で行う「治験」(人体への有効性と安全性を確かめるために行う臨床試験)」のコーディネートを行う仕事です。

そのため、治験コーディネーターは医療機関の医師や、製薬会社の担当者、被験者などと常に関わりながら、仕事を進めていきます。

治験コーディネーターとは、こんな仕事

治験コーディネーターの具体的な仕事内容

製薬会社の「治験説明会」に出席する

治験コーディネーターは、製薬会社の新しい治験依頼が発生した時点で、製薬会社の臨床開発モニターが開催する「治験説明会」に出席します。

事前に「治験実施計画書(プロトコール)」が配られるので、それをしっかりと読み込み、不明な点があれば臨床開発モニターに確認するなどして、内容を完全に理解しておくことが大切です。

「スタートアップミーティング」の資料を作成する

その後、治験コーディネーターは製薬会社の臨床開発モニターが開催する「スタートアップミーティング」に向けて、ミーティングの資料を作成するなどの補助業務を行います。

「スタートアップミーティング」とは、治験が始まる前に製薬会社が医師や看護師、臨床検査技師、薬剤師、治験事務局などを集め、治験の内容や手順などについて説明を行うミーティングのことです。ミーティング当日、治験コーディネーターは議事進行のサポートもします。

また、製薬会社から治験検査キットや検査機器を渡されるので、被験者に説明をするための準備も行います。

被験者を募集し、スケジュール管理や対応を行う

被験者の窓口となって、治験がスムーズにいくためのさまざまな調整を行うのも、治験コーディネーターの重要な仕事です。

スタートアップミーティングが終わった後、治験コーディネーターは治験実施に向けて被験者を募集(スクリーニング)し、被験者に向けた説明の文書や同意書を作成します。

被験者の来院日や検査日、投薬予定日などのスケジュールを管理し、被験者が来院した際には服薬の状況や副作用の有無のなども確認します。

治験中に副作用が起こった場合は、速やかに医師に連絡するなどの対応をとります。

「症例報告書(CRF)」を作成する

治験を行ったときの被験者の検査データや、副作用の情報などは、「症例報告書(CRF/Case Report Form)」としてまとめる必要があります。

治験コーディネーターは、医師の指示に従って、症例報告書作成の補助業務を行います。

「治験終了報告書」を作成する

製薬会社から依頼された症例報告書数をクリアし、被験者の最終確認や追跡調査を終えた時点で、治験コーディネーターは「治験終了報告書」の原案を作成します。

治験コーディネーターの一日のスケジュール

治験コーディネーターのスケジュールは案件の種類や所属するSMOの勤務体制によっても違い、その日の予定によってもかなり違いますが、一般的な一日のスケジュールをご紹介しましょう。

9:00 出勤

所属するSMOのオフィスに出勤し、その日のスケジュール確認とメール確認を行い、必要資料などを用意します。オフィスには出勤せず、直接医療機関に出向き、直行直帰する日もあります。

いつオフィスに出勤し、いつ医療機関に直行するかなどは、治験コーディネーターが自分の裁量でコントロールすることができます。

どのように予定を立てるかによって、仕事の効率もかなり違ってくるので、スケジュールの立て方は非常に重要です。

9:30 担当の医療施設に向かう

オフィスを出て、担当する医療施設に移動します。

医療施設では、治験にかかわる医師や看護師などと打ち合わせを行ったり、被験者のカルテを確認したり、被験者に渡す治験薬や資料の準備などを行います。

10:30 被験者への治験内容の説明

被験者が来院したら、治験薬と資料を渡し、治験の内容やスケジュールなどについて説明します。

12:00 症例報告書の記入

被験者への説明が終わった後、その内容を症例報告書に記入します。

12:30 昼食

昼食はお弁当を持参して、病院内のSMO待機室で食べたり、コンビニからお弁当を買ってきたり、病院の職員食堂を利用している人もいます。

昼食の時間は1時間とれるときもありますが、15分~30分ぐらいで急いで昼食を済ませる人も多く、午後に別の病院に移動するときは最悪食べられなくなってしまうケースもあります。

13:00 医師や製薬会社担当者とのミーティング

病院の医師や製薬会社の担当者と、2時間ほどミーティングを行います。

ミーティングの内容としては、被験者のカルテの確認や、治験中の状況確認などです。

16:30 オフィスに戻って日報を作成

ミーティングが終わったあとは、オフィスに戻ってメールの確認を行い、日報を書いて業務終了となります。

日によっては、医療機関から直帰する場合もあります。

治験コーディネーターの年収水準

未経験から治験コーディネーターになった場合

転職先によって年収はさまざまですが、未経験から治験コーディネーターになった場合、年収の相場は300万円~450万円ほどです。

大手のSMOになると未経験でも350万円~400万円ほどもらえる場合もありますが、中小のSMOの場合は300万円~350万円のスタートと思った方がいいでしょう。

SMOの大手企業は、主に下記の4社になります。

  • 株式会社EP綜合
  • サイトサポート・インスティテュート株式会社
  • ノイエス株式会社
  • 株式会社アイロム

CRCの業界ではこの4社が治験の受託の80%以上を占めていて、転職支援サービスの「CRCJOB」によると、4社の平均月収は25.5万円、平均年収は372.5万円でした。

未経験の治験コーディネーター年収比較
出典元:CRCJOB 「主要企業の年収と給与内訳」2019年1月~2019年12月の同社の転職実績から算出

「CRCJOB」によると中小規模企業の平均月収が約25.5万円、平均年収が320万円なので、月収自体は大手も中小も変わらないのですが、年収で50万円以上の開きが出ています。

そのため、年収面だけを考えると、できるだけ大手のSMOに入った方が得策といえます。

経験を積むと年収はいくらぐらい?

では、治験コーディネーターとして経験を積むと、いったいどのぐらいの年収をもらえるのでしょうか?

「CRCバンク」のアンケートによると、治験コーディネーターの平均年収は約472.5万円でした。

CRCバンク 「治験コーディネーターCRCの給料・年収」
出典元:CRCバンク 「治験コーディネーターCRCの給料・年収」

上のグラフを見るとわかりますが、治験コーディネーターの年収は20代から40代にかけて大きくアップしています。

そのため、入社当初は300万円代の年収だった人も、20代後半には400万円代になり、30代になれば400万円代後半~500万円代の年収を得ることも可能だということです。

治験コーディネーターのここが知りたい!

夜勤はあるの?

治験コーディネーターの仕事に、夜勤は基本的にありません。

治験で関わるのは病院の医師や製薬会社の社員、被験者などなので、打ち合わせや説明なども日勤の時間帯に行われ、夜間に行う業務がないからです。

入院患者の治験を行う場合でも、夜間の時間帯は病院側に対応してもらえますし、案件によっては24時間のモニタリングで夜中に立ち会うケースもありますが、それはごく稀です。

そのため、病棟の看護師をしていた人が、夜勤のない仕事を探して治験コーディネーターに転職するケースは、少なくありません。

看護師から治験コーディネーターに転職した場合、病棟治験の案件では看護師と話をする機会も多く、元看護師としての経験を活かしてスムーズに話を進められるでしょう。

土日には休める?

治験コーディネーターは医療機関と関わる仕事なので、日曜日はほぼ完全に休めますが、土曜日は診療を行っている医療機関も多く、土曜出勤はあると思っておいた方が賢明です。

中には土日休みの医療機関の治験を担当していて、毎週土日に休んでいる人もいますが、派遣先が変われば土曜が勤務日に変わることもあり得るでしょう。

土曜出勤といっても、毎週あるわけではありません。土曜出勤の頻度は担当する案件や医療機関によってさまざまで、たとえば「忙しいときは毎週土曜出勤、それ以外はサブの担当者と交替で、隔週土曜日に出勤」というようなケースもあります。

いずれにしても、治験コーディネーターへの転職を考えている人は、土曜出勤のときに子どもたちを誰に預けるかを考えておく必要があります。

祝日に関してはほとんどの人が休めますが、透析の病院は祝日も営業しているので、透析の治験を担当する場合は祝日出勤となります。

残業はどのぐらい?

治験コーディネーターの残業がどのぐらいあるかというのは、担当する案件や施設によってさまざまですが、1日1時間以上は残業があると思っておいた方がいいでしょう。

具体的に言うと、何事もなくて定時に帰れる日もあれば、1時間ほど残業をして帰るときもあり、忙しくて2~3時間残業する日が続くときもあるというような形です。

たとえば治験を立ち上げたばかりのときや、被験者が治験に入ってきたとき、治験終了後に書類を提出するときなどは、通常より忙しくなる傾向にあります。

ほかにも、被験者に健康上の問題が生じたときや、医師に「診療時間後に打ち合わせをしたい」と言われたときなども、イレギュラーで残業が発生します。

治験コーディネーターはスタッフの一員として動く仕事と違って、責任者として治験をコーディネートしていかなければならないので、残業に関してもそれなりの覚悟をもって臨む必要があるでしょう。

転勤や出張はある?

SMOの多くは日本全国に支社があるので、治験コーディネーターには転勤があり得ます。

ただし、大企業の男性社員のように「数年ごとに有無を言わさず転勤」というような形ではなく、あくまで本人の希望を尊重しての転勤となります。

出張についても、新米のうちはあまりありませんが、一人前の治験コーディネーターとしてやれるようになってくると、泊りがけや日帰りの出張も発生します。

治験コーディネーターの仕事は都心部に多いため、都心から地方に出張というよりは、地方で働いている人が都心の案件に繰り出されるパターンが多いでしょう。

子育て中の人は出張を免除されるので、その分独身の人や子育てが一段落した人は、出張が入る可能性が高くなる傾向にあります。

有給休暇は取れる?

治験コーディネーターは自分のスケジュールを自分で調整するので、有給休暇を取れるかどうかは、自分の腕次第ともいえます。

もちろん相手のある仕事なので、小さなクリニックの担当になると休みが取りづらいといったこともありますが、サブ担当などの協力をもらって休むことも可能でしょう。

年間休日は120日前後と多く、日曜や祝日の前後に有給休暇を入れ、業務をうまく調整して長期休暇を取る人もいます。

離職率はどのぐらい?

治験コーディネーターの離職率は、全国平均で10%~15%と言われています。「日本SMO協会データ2019」によると、CRCの2019年度の離職率は14.4%でした。

「CRCばんく」の調査データによると、治験コーディネーターの退職理由として多いのは「良い条件の会社への転職」「勤務地が遠い」「結婚・出産・配偶者の転勤」なので、仕事や会社自体への不満というよりは、自分の都合で退職するケースが多いようです。

このような辞め方の場合、おそらく次に転職するときも、治験コーディネーターとして転職する人が多いでしょう。

そういう意味で、治験コーディネーターは離職率はやや高いものの、比較的満足度の高い職種と考えることができます。

CRCバンク 「治験コーディネーターCRCの退職理由」
出典元:CRCばんく(クチコミ・アンケート調査データをもとに作成)

子育てをしながら働ける?

育児をしながら働いている治験コーディネーターは多く、治験コーディネーターとして働いている人の半数近くに子どもがいることからも、女性が育児をしながら働きやすい職種のひとつといえます。

産休・育休を取得してがんばっているワーママ治験コーディネーターは多く、出産をしていったん退職した後、子どもがある程度成長してから復職する人もいます。

治験コーディネーターの需要は多いので、休職前のキャリアがしっかりとあれば、いったん仕事から離れても経験を活かして復職できる仕事と考えていいでしょう。

治験コーディネーターの就職先であるSMOも、戦力の中心である女性が結婚・出産によって辞めてしまわないよう、フレックスタイムや時短勤務を導入するなどさまざまな対策をしています。

子育てをしながら治験コーディネーターとして働きたい人が注意したいこと

治験コーディネーターは確かに女性が出産後も働きやすい職種なのですが、子育てに支障なく働き続けるためには、注意したい点がいくつかあります。

結婚が決まる前にSMOに転職する

職種未経験の女性が治験コーディネーターへの転職を考えるなら、結婚する(あるいは結婚が決まる)前にSMOに転職しておくことをおすすめします。

たとえば病棟で働く看護師さんなどは、結婚した(結婚が決まった)時点で「夜勤があると結婚後は働けないから」と、治験コーディネーターへの転職を考えるケースが少なくありません。

話の流れとしてはそれが自然なのですが、実は治験コーディネーターの転職先であるSMOの側からすると、「結婚している(予定のある)人を採用すると、入社してすぐ妊娠して育休に入ってしまうのでは?」という懸念があり、採用を見合わせてしまうケースが多いのです。

「CRCばんく」のアンケートによると、新婚でSMOに応募した人が内定した確率は、25歳では70%の合格率があるものの、27歳ではグッと落ちて40%、31歳では1割にも満たなくなるという結果が出ています。

CRCバンク 「治験コーディネーターCRCの合格率」
出典元:CRCばんく(クチコミ・アンケート調査データをもとに作成)

また、「私は結婚が決まっていないから大丈夫」と思っていても、20代後半以上になると採用するSMO側に「本当は結婚が決まっていて、隠しているのではないか?」などと詮索されてしまう場合もあるので、注意が必要です。

こうした点を考えると、職種未経験の女性が治験コーディネーターへの転職を考えるなら、最も賢明なのはまだ結婚相手が決まっていない25歳前後までに転職することです。

キャリアの観点からいっても、3年ほど看護師や臨床検査技師・薬剤師などの現場を経験し、そこから治験コーディネーターとしての長いキャリアをスタートするというのは、理想的といえるでしょう。

子育て中でも働きやすいSMOを選ぶ

SMOにもさまざまな会社があり、「産休明けの治験コーディネーターは残業の発生しにくい現場に回す」「出産後数年間は時短勤務にする」といった配慮をしてくれるSMOもあれば、そうでないSMOもあります。

どのSMOを選ぶかによって、子育てに支障なく働けるかどうかが決まると言ってもいいので、希望するSMOの福利厚生制度などをしっかりと確認しておきましょう。

結婚・出産後もある程度残業できる生活環境を作っておく

時短勤務やフレックスタイムなどの配慮をしてくれるSMOに入社すれば、結婚・出産後にまったく残業なく働けるケースもありますが、仕事というのはいつどんな事態が発生するかわかりません。

たとえ時短勤務になったとしても、どうしても残業せざるを得ない状況になる場合もあるので、そのときに子どもを託せる人を確保しておいた方がよいでしょう。

たとえば夫や実家の母親、同じ子育て中の仕事仲間などと話し合って、協力体制を作っておくと、安心して働くことができます。

引越しをしても仕事は続けられる?

夫の転勤などで引っ越しをした後も、その地域にあるSMOに転職し、引き続き治験コーディネーターとして働くことができます。

ただし、治験コーディネーターの求人は圧倒的に東京や神奈川などの関東地方が多く、地方での求人はけっして多くありません。

どの地域に引っ越すかによって、SMOに転職できる可能性が低くなる場合もあり、求人があっても正社員ではなく派遣社員というケースもあります。

また、採用された当初は希望する勤務地で働けても、その地域の案件が少ないために転勤になるという可能性もあります。

引っ越し先の地域で治験コーディネーターの需要がどのぐらいあるかをよく調べた上で、転職活動をする必要があるでしょう。

治験コーディネーターへの転職に成功した事例

臨床検査技師として働きながら、「人と関わる仕事がしたい」と思う

Aさんは25歳。3年前、「女性が一生働ける仕事に就きたい」と思い、大学の理学部を卒業して食品メーカーの臨床検査技師になりました。

ところが、もともと社交家で活発だったAさんは、毎日黙々と検査をする日々にストレスを感じていました。

そして、

臨床検査技師A
臨床検査技師A

「臨床検査技師の仕事は、自分には向いていなかった。もっと人と関わる仕事がしたい!」

と思うようになりました。

臨床検査技師A
臨床検査技師A

「とりあえず3年はがんばろう」

と思って仕事を続けたAさんですが、ある日看護師をしていた友人から、治験コーディネーターに転職したという話を聞いたのです。

大手SMOの治験コーディネーターとして採用される

Aさんが仕事の悩みを打ち明けたところ、

元看護師の友人
元看護師の友人

「治験コーディネーターは、元臨床検査技師の人も多いのよ。あなたは気配り上手だから、この仕事は向いているかも」

という友人のアドバイスがあり、Aさんは治験コーディネーターの仕事に興味を持ち始めました。

そして、治験コーディネーターの仕事内容や給与、キャリアの道筋などを徹底的に調べ上げ、

臨床検査技師A
臨床検査技師A

「私がやりたかったのはこういう仕事だ!」

と確信したのです。

Aさんは早速大手SMOの治験コーディネーター採用試験を受け、面接で持ち前の明るさとコミュニケーション能力、臨床検査技師としての経験と知識をアピールしたところ、一発で採用となりました。

治験を通して社会の役に立てることに、やりがいを感じる日々

いまAさんは、治験コーディネーターとしてさまざまな病院を担当し、新薬開発のための治験業務を行っています。

治験を担当する新薬の中には、その薬が世に出ることで多くの人の命を救うことになるものもあり、確実に社会の役に立っていることに、大きなやりがいを感じています。

そして何より、治験コーディネーターは医師や看護師、製薬会社の社員など、さまざまな人とかかわる仕事なので、Aさんの資質を存分に活かすことができ、友人には「水を得た魚のようだ」と言われました。

元臨床検査技師A
元臨床検査技師A

「自分の性格を深く考えず、一生働ける仕事だというだけで、臨床検査技師を選んでしまったけれど、仕事にはやっぱり向き不向きがあるのだと痛感した。いまの仕事は本当に楽しく、自分にとって天職だと感じる。近いうちに日本SMO協会の公認CRC試験も受けて、さらにレベルアップを目指したい!」

と張り切るAさんでした。

治験コーディネーターの転職に成功するためのポイント

治験コーディネーターの仕事内容や適性をよく調べる

治験コーディネーターへの転職を成功させるためには、まず治験コーディネーターがどんな仕事で、どんな人に向いているのかをよく調べることが大切です。

たとえば看護師から治験コーディネーターへのキャリアチェンジを考える人は多いのですが、転職した人の中には「実際に働いてみたら、自分に向いていなかった」と気付く人もいるのです。

転職失敗の原因は、看護師と治験コーディネーターの仕事内容がまったく違うにもかかわらず、「夜勤がない」といった条件面に魅力を感じ、よく調べずに転職してしまった点にあるでしょう。

また、治験コーディネーターは毎日さまざまな医療機関に出向くのですが、「こんなに移動が多い仕事は向いていない」と、後から転職したことを後悔する人もいます。

このようなことにならないよう、治験コーディネーターがどんな仕事をするのか、毎日どんなスケジュールで動いて、どんなキャリアパスを描くのかといったことを、きちんと調べた上で転職を考える必要があります。

自分の性格や希望に合ったSMOを選ぶ

治験コーディネーターの多くはSMOに所属することになりますが、どのSMOを選ぶかで転職の満足度は違ってくるので、自分に合ったSMOを選ぶことが大切です。

たとえば最大手の「株式会社EP綜合」などは年収が高めで、研修制度が充実し、女性の働きやすさにもきめ細かな配慮をしています。

では誰もが大手に行きたがるのかというと、そういうわけではありません。大手は敷かれたレールの上を走る安心感はありますが、人数が多いので融通が利かず、一人ひとりの個性を発揮しづらい面があります。

その点中小SMOは小回りが利くので、一人ひとりの能力に合わせた教育を行い、社員が一丸となって新人を育てていこうという機運もあります。社内の風通しの良さや、アットホームな雰囲気といった点でも、やはり中小SMOの方に軍配があがるでしょう。

ただし中小SMOは経営面の心配があり、大手SMOの方がさまざまな治験にかかわれるといったメリットもあるので、大手・中小それぞれの業務内容や福利厚生、社風などをよく調べた上で、転職活動を行うことが大切です。

転職エージェントに相談する

治験コーディネーターへの転職を考える人は、ハローワークやインターネットの転職サイトなどを使って、自分一人の力で転職活動を行うのではなく、転職エージェントに相談することをおすすめします。

「リクルートエージェント」や「doda」などの大手転職エージェントや、「看護のお仕事」「ナース人材バンク」「マイナビ看護師」などの看護師専門転職エージェントには、治験コーディネーターの求人情報が多数集まっています。

転職先の紹介だけでなく、応募書類の添削や面接のアドバイスなどもすべて無料でやってもらえるので、積極的に活用した方がいいでしょう。

また、「希望するSMOがどんな雰囲気の会社なのか?」「自分は治験コーディネーターに本当に向いているだろうか?」といったことも、キャリアアドバイザーに気軽に相談することができます。

まとめ

治験コーディネーターの仕事内容や、年収、転職成功のためのポイントなどについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

治験コーディネーターは、新薬開発にかかわる社会的な意義のある仕事で、女性が結婚・出産・育児を乗り越えて長く働き続けられる仕事でもあります。

人とかかわることが多い職種なので、人とのコミュニケーションを通して、仕事の楽しさややりがいを感じることもできるでしょう。

ただし、電車に乗って移動することが多く、被験者からの心ないクレームに傷つくことがあるなど、治験コーディネーターならではの大変さもあります。

他職種から治験コーディネーターへのキャリアチェンジを考えている人は、自分の適性なども踏まえた上で、慎重に転職を判断しましょう。

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