美容クリニックの看護師へ転職する7つのメリット、4つのデメリット

更新日:2022.6.14

「美容クリニック」への転職を考えている人のために、美容クリニックの看護師に転職するメリット&デメリットや仕事内容、年収、転職成功のためのポイントについてご紹介しましょう!

美容クリニックの看護師に転職するメリット・デメリット

美容クリニックの仕事は、看護師さんの間でとても人気の高い職種のひとつです。では、いったいどんな点にメリットがあるのでしょうか?

美容クリニックの看護師に転職するメリット

私生活を大切にできる

美容クリニックは病院のように夜勤や残業がなく、毎日定時に帰れるので、私生活の時間を大切にすることができます。

アフターにジムや英会話に通ったり、友人と会ったり、恋人とデートすることもできるでしょう。退勤できる時間が19時以降なので、18時に終わる会社員と同じようにはいきませんが、その分出勤が遅いので自分のための時間は十分にとれます。

看護師には夜勤や残業がつきもので、ワークライフバランスを整えることがとても難しい職業なので、そういう点を考えて美容クリニックに転職する看護師さんは数多くいます。

全体的に給与が高い

「夜勤がなくて毎日定時に帰れる仕事なら、給与は低いのでは?」と思うかもしれませんが、美容クリニックの給与は全体的に高めで、それをメリットと感じて転職する看護師さんも少なくありません。

看護師の給与が高い理由として、「売上目標を達成したらインセンティブが付く」ということもあるのですが、それだけではなく基本給自体がそもそも高めです。

基本給25万円以上の美容クリニックは普通にあり、中には月35万円以上の高額の基本給を出して、優秀な看護師を雇おうとするクリニックもあります。

なぜ美容クリニックの看護師の給与がこれほど高いかというと、美容クリニックの収益性が高いからです。

保険診療をメインとする病院と違い、美容クリニックの施術の多くは自由診療で、「美しくなるためならいくら払ってもいい」というお客様が多いので、施術費用も高めに設定されています。

一般の病院に比べて多くの利益を出すことができるので、スタッフにも高い給与が出せるというわけです。

仕事をしながら美しくなれる

美容クリニックの看護師は、新しい機器をマスターするためのトレーニングとして、お互いに施術をし合って技術を高めます。

そのため、美容クリニックに転職すると美しさに磨きがかかっていく人が多く、それは美容クリニックに勤めるスタッフの大きな役得といえるでしょう。

普段は絶対に受けられないような高額の施術も、看護師として勤めることで利用できるので、それを求めて美容クリニックに転職する人もいるほどです。

クリニックの数が多いので、転職しやすい

看護師が毎日定時に帰れる仕事としては、他に企業の産業看護師や学校の保健室の看護師などがありますが、どちらも絶対数が少なく転職しづらいのが辛いところです。

その点、美容クリニックは街のあちこちにあり、ひとつのクリニックに複数の看護師が働いているので、転職しやすいというメリットがあります。

かつて美容クリニックといえば、お金持ちのマダムが通うというイメージがありましたが、最近は一般的な収入の人も通う傾向にあり、美容クリニックの需要はますます高まるでしょう。

体の負担が少ない

美容クリニックは病院のような重労働が少なく、体の負担が少ないのは大きなメリットです。

施術の中には、看護師が座ってお客様と話しながら行う施術も多く、適度に動いて適度に座れる理想的な環境といえるでしょう。

未経験でも転職しやすい

美容クリニックは病院の看護師などが未経験から転職するケースが多く、大手の美容クリニックなどは研修体制も充実しているので、美容業界未経験者でも転職しやすい職場です。

看護師としての経験が浅い人でも、がんばって転職活動をすれば、受け入れてもらえる可能性はあります。

おしゃれで清潔な職場で、優雅に働ける

病院の看護師は患者さんの尿や血液などを扱うこともあり、おしゃれで清潔なイメージとはほど遠い感じですが、美容クリニックはそれとまったく反対ともいえる職場です。

美を追求するお客様が、リッチな雰囲気の中で施術を行うための施設なので、クリニック内は極めて優雅です。

施術室にはBGMが流れ、空調の環境も理想的で、看護師はそのなかでゆったりと行動しながら施術を行うことができます。

毎日通い続ける職場がおしゃれで清潔な快適環境にあるというのは、看護師にとって大きなメリットのひとつと言っていいでしょう。

美容クリニックに転職するデメリット

年齢を重ねると勤めづらくなる

美容クリニックによってスタッフの年齢に関する考え方はさまざまですが、30代後半や40代以降になると、勤めづらくなる職場が多いことは事実です。

美を追求する仕事なので、「できるだけ若く美しい女性スタッフを置きたい」と考える経営者も多く、年齢を重ねるほど居心地が悪くなるケースは少なくありません。

これは、経験を積めば積むほどなくてはならない存在になる病院の看護師とは、まったく違う扱われ方です。

子育てをしながら働き続けるのが難しい

美容クリニックの看護師は、独身女性にとっては給与もよく優雅に働ける仕事として魅力的なのですが、子どもができると働きづらくなる点がネックといえます。

なぜ子育てをしながら働きづらいかという理由については、後で詳しく説明しますが、病院の看護師のように院内保育室を完備して子育て中の看護師を応援するといった雰囲気は、まったくないと考えておいた方がいいでしょう。

お客様のクレームに悩むこともある

美容クリニックに来院するお客様は、より美しくなるために施術を受けるのですが、人によっては思ったほどの効果が表れないこともあります。

たとえば美肌を求めてレーザーの施術を受けても、体質などの関係であまり変化が見られなかったり、しわとりのためにヒアルロン酸の注射をしたら、「かえって見た目が悪くなった」と感じる人もいます。

そうなると、お客様としては高額の費用を払っているだけあって、クレームにも思わず力が入ってしまうでしょう。

あまりにひどいクレームを受けると、看護師としての資質を疑われてしまうこともあり、お客様の評価は看護師にとって脅威でもあります。

いったん美容クリニックに勤めると、他の診療科には移りづらい

美容クリニックの看護師になる上で怖い点は、せっかく看護学校を出て看護師の資格をとっても、いったん美容クリニックに勤めると他の診療科に移りづらくなる点です。

たとえば10年以上美容クリニックで働いて30代後半になり、居心地が悪くなったときに「また病院の看護師に戻りたい」と思っても、技術的な面でそれは厳しいものがあるでしょう。

今は病院の看護師不足が深刻なので、それでも採用されるケースはありますが、転職後に苦労をする可能性は大です。

病院によっては、「美容外科クリニックでの経験は臨床経験に含まない」と募集要項に記載しているケースもあり、同じ看護師でも美容クリニックは別物と扱われることが少なくありません。

いったん美容の世界に飛び込んだのであれば、むしろ病院というよりは美容関連の仕事の方が、活路を見いだせるかもしれません。そうした点もよく考えて、美容クリニックへの転職を決めることが大切です。

美容クリニックの看護師になるには

看護師専門の転職エージェントに相談するのが早道

美容クリニックへの転職を考えるなら、看護師専門の転職エージェントに相談するのが早道です。

看護師専門の転職エージェントは看護師の求人に特化しているので、美容クリニックの求人を数多く持っているだけでなく、内部の情報などにも詳しいからです。

気になるクリニックが見つかったときは、キャリアカウンセラーに「この美容クリニックを考えているのですが、職場の雰囲気はどうですか?」といったように質問をしてみると、わかる範囲でさまざまな内部情報を教えてもらえます。

看護師専門の転職エージェントとして最も有名なのは「看護のお仕事」ですが、他にも「マイナビ看護師」や「ナース人材バンク」「看護roo!」などがあります。

転職エージェントの利用は無料なので、2~3社に並行して登録し、より多くの情報の中から希望の転職先を見つけるとよいでしょう。

美容に興味がある人に向いている仕事

言うまでもありませんが、美容クリニックには「美しくなりたい」と切実に願うお客様が来院するので、それに対応する看護師自身が美容に関して強い関心をもっていることが重要です。

「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、自分自身に美を追求する強い気持ちがあれば、自然と美容の勉強にも熱心になるでしょう。

「お客様を少しでも美しくして差し上げたい」という思いが伝わると、新たな施術の契約にも結びつき、病院の看護師以上の高収入を得ている看護師さんも少なくありません。

コミュニケーション能力も非常に重要

美容クリニックの看護師になるには、コミュニケーション能力が高いことも非常に重要です。

美容クリニックのお客様は、高い費用を出して美しくなるために来院するので、病気が治った患者さんから「ありがとうございます」と感謝される病院の看護師とは、かなり違うものがあります。

お客様の心に寄り添い、施術の時間を少しでもゆったりと気持ちよく過ごしていただくために、看護師はきめ細やかな気配りが欠かせません。

クリニックの中で最もお客様と多く接するのが看護師なので、看護師がどれだけコミュニケーション能力を発揮したかによって、クリニックの売上も大きく変わってきます。

美容クリニックの看護師とは、こんな仕事

「美容整形外科」と「美容皮膚科」の2種類がある

美容クリニックには、大きく分けて「美容整形外科」と「美容皮膚科」の2種類があります。

個人レベルのクリニックでは「美容皮膚科のみ」「美容皮膚科と一部の美容整形のみ」というところも多いのですが、規模の大きなクリニックの多くは美容整形外科と美容皮膚科の両方をトータルで行っています。

メスを使って手術を行う「美容整形外科」

美容整形外科では、主にメスを使って手術を行うため、看護師はその解除を行うのがメインの仕事です。

病院で手術を経験した看護師さんが優先的に採用される傾向にありますが、手術経験がないと転職できないというわけではありません。

手術の経験がなくても、入職してから研修を受けて、仕事を覚える人もいます。

手術の内容としては、高鼻術やフェイスリフト、二重の手術、乳房の形成手術、脂肪吸引などがあります。

看護師は手術室で医師の介助を行うほか、手術器具の準備や滅菌作業、患者さんの術前術後のケア、塗り薬の塗布、服薬管理なども行います。

レーザー機器などを使って脱毛や美白を行う「美容皮膚科」

かたや美容皮膚科は、メスを使わずにレーザー機器や注射などによって脱毛や美白、シミ・シワの除去といった施術を行います。

看護師の施術の内容としては、レーザー機器を使って美白や脱毛・シミとりなどの施術を行ったり、シワとりのためのヒアルロン酸注射を行ったり、アンチエイジングのためのビタミンC点滴を行うなど、お客様の要望に合わせてレーザー照射や注射、点滴などの業務を行います。内服薬や塗布薬の管理も看護師の仕事です。

このように、美容皮膚科の場合は手術がないので、病院での手術経験がない看護師さんでも安心して転職できるでしょう。

お客様とのコミュニケーションも、重要な仕事のひとつ

美容クリニックは長期にわたって通院するお客様が多いため、看護師がお客様と良好なコミュニケーションをとることが、クリニックの収益にも大きく影響しています。

たとえば顔のほくろを取るために来院したお客様が、看護師とコミュニケーションを深めることで、そのクリニックを信頼し、シミとりや美白の施術に進むといったケースも少なくありません。

こうした新規の契約を増やすことが、美容クリニックの看護師の収入アップにもつながっています。

美容クリニックの看護師の一日のスケジュール

美容クリニックの看護師の一日のスケジュールは、勤務するセンターによっても違いますが、一般的に次のようなスケジュールとなります。

10:00 出勤

白衣に着替え、掃除や器具の管理、薬剤の在庫チェックなど、開院前の準備を行います。

10:40 朝礼

ドクターとスタッフ全員で朝礼を行います。その日に来院予定のお客様の情報を共有し、申し送りをします。

11:00 開院

お客様をご案内し、ドクターの診察介助や手術介助、施術、カウンセリングなどを行います。

13:00 昼食休憩

交替で休憩をとります。休憩室でお弁当を食べたり、都心部のクリニックの場合はおしゃれなレストランでランチを食べることもあります。

14:00 午後の業務

午前に引き続き、ドクターの診察介助や手術介助、施術、カウンセリングなどを行います。

16:00 技術練習

業務の合間をみて、技術をマスターするための練習を行います。看護師同士でお互いに機器を使って施術を行いながら、技術の確認をします。

19:00 営業時間終了

片付け、掃除、明日の準備を行います。

20:00 退勤

私服に着替え、一日の業務が終了となります。

美容クリニックの看護師の年収水準

未経験から美容クリニックの看護師になった場合

勤務するクリニックによって年収はさまざまですが、未経験から美容クリニックの看護師になった場合、年収の相場は400万円~500万円ほどです。

これはあくまで未経験入職当初の年収で、自分のお客様がついてクリニックの業績アップに貢献できるようになってくると、どんどん年収はアップします。

給与の設定のしかたはクリニックによってさまざまですが、たとえば全国展開している大手美容整形外科の場合、分院ごとに売り上げ目標を立て、その売上を達成すると看護師にもインセンティブ(報奨金)が支払われるところもあります。

「売上目標を100%達成した場合は給与の20%、110%達成した場合は30%、120%達成した場合は40%」というように、売上目標を超えるほどたくさんのインセンティブがもらえるので、医師も看護師も一丸となってがんばるという仕組みです。

インセンティブの金額は月1~5万円というときもあれば、10万円以上になることもあり、それが看護師さんのモチベーションアップにつながっています。

美容外科クリニックの看護師の一例

■売上目標を100%達成した場合

基本給 35万円
インセンティブ 35万円×20%=7万円
その月の給与 35万円+7万円=42万円

■売上目標を120%達成した場合

基本給 35万円
インセンティブ 35万円×40%=14万円
その月の給与 35万円+14万円=49万円

このように、クリニックの業績が良いと看護師にも報奨金が出るため、美容クリニックの看護師の給与は月によってかなり高くなることもあります。

もちろん毎月報奨金が発生するわけではありませんが、それを目指して仕事をすることで、スタッフが一丸となってがんばることができるでしょう。

クリニックとしては、優秀な看護師を囲い込むために、こうしたモチベーションを上げるためのさまざまな工夫をしています。

基本給に関しても、優秀な看護師さんはどんどん上がっていくので、昇給が一律で上がる病院とはだいぶシステムが違います。

経験を積むと年収はいくらぐらいになる?

美容クリニックの看護師として経験を積むと、その人の実力によってもかなり違いますが、450万円~700万円ほどの収入となります。

コミュニケーション能力が高く、クリニックの業績に大きく貢献している看護師さんの中には、800万円~900万円ほど稼いでいる人もいます。

「夜勤や残業もないのに、そんなに稼げるの?」と、ビックリした人もいるかもしれませんね。美容クリニックは、それだけ稼げる業態ということです。

クリニックによって客層は違いますが、お金に糸目をつけずに美を追求するお客様が多く利用する美容クリニックなどは、驚くほど収益を上げているでしょう。

美容クリニック全体の傾向としては、手術を行わない「美容皮膚科クリニック」よりも、高額な手術を行う「美容外科クリニック」の方が収益性が高く、看護師の給与も高額になります。

給与に対する不満を感じている看護師は多い

看護師は女性の中でも高給が期待できる職種と言われていますが、実際の満足度はどうなのでしょうか?

「美容外科求人ガイド」が2019年1月に行った調査(実査委託先:楽天インサイト)によると、現在の医療施設で「不満がある」「やや不満」と答えた人は66%で、そのうち「給与に対して不満」と答えた人が69.7%と最も多く、なんと7割近くの人が給与に不満を感じていることがわかりました。

美容外科求人ガイド「医療施設に対する本音とキャリアに関する意識調査」(20代~40代の現役看護師へのインターネット調査)
画像出典元:美容外科求人ガイド「医療施設に対する本音とキャリアに関する意識調査」(20代~40代の現役看護師へのインターネット調査)

看護師は高給といっても、実際には給与に満足していない人も多く、そういう人にとって美容クリニックへの転職は非常に魅力的かもしれません。

美容クリニックの看護師のここが知りたい!

夜勤はあるの?

先ほども書きましたが、美容クリニックには夜勤がありません。美容クリニックの営業時間は20時ぐらいまでのところが多く、どんなに遅くても23時までには終わるので、深夜の時間帯には行わないからです。

ただし、23時までやっている美容クリニックの場合は、営業が終了してから24時ぐらいまで残って片付けをするので、準夜勤レベルの時間帯の勤務はあります。

働く女性が増えているいま、こうした夜遅くまで営業するクリニックは、増加する可能性もあるでしょう。「夜勤は絶対にしたくない」という人は、日中に営業するクリニックを選ぶ必要があります。

土日には休める?

美容クリニックは平日の日中に時間を割ける人だけでなく、会社勤めの人や学生なども利用するので、土日は休日にはなりません。

土日だけでなく、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始なども、営業しているクリニックが数多くあります。

皆が休んでいるときに忙しくなる仕事なので、その点は覚悟しておく必要があるでしょう。

残業はどのぐらい?

美容クリニックは予約制なので、お客様の体調が急変したなどのイレギュラーなケースを除いて、
ほとんど残業はありません。

毎日定時に帰れるので、規則正しい生活をすることができます。

ただし、年末年始などは「何とか年内に美しくなりたい!」という駆け込み需要もあり、予約が一杯になって残業になる場合もあります。

転勤や出張はある?

美容クリニックの看護師の仕事に、転勤や出張はほとんどありません。基本的に採用になったクリニックで、ずっと働くことができます。

ただし、クリニックの経営者によっては看護師がある程度の年齢になると「オバサンは辞めてほしい」オーラを出し始めることもあり、長く働ける職場ばかりではありません。

「クリニックを立ち上げて10年以上になるのに、30代後半の看護師がいない」という場合は、その可能性が高いので、よく調べておいた方がいいでしょう。

有給休暇は取れる?

有給休暇に関しても、前もってスケジュールを組んでおけば、無理なく休むことができます。

自分の担当するお客様にご不便をおかけしないよう、計画的に休むことが大切です。

子育てをしながら働ける?

「美容クリニックは定時に帰れて夜勤もないので、子育てをしながら無理なく働ける」と考える人も多いのですが、実はその辺はとても微妙です。

確かに定時で帰れて夜勤もない仕事なのですが、退勤する時間が遅いので、保育園のお迎えには間に合いません。

有給が無理なく取れるので、家族で旅行にいくこともできますが、土日やゴールデンウィーク、年末年始などは休めないので、家族旅行の計画を立てるのは大変でしょう。

また、子どもが突然熱を出して「今日は休みたい」と思っても、急なシフト変更は厳しいものがあります。

もし夫や実家の母親などが、何かあったときに常にサポートしてくれるなら何とかやっていけますが、誰のサポートもない人が美容クリニックの仕事を続けるのは難しいかもしれません。

引越しをしても仕事は続けられる?

美容クリニックは都市部を中心に日本全国のさまざまな地域にあるので、引っ越し先の近くに美容クリニックがあれば、仕事を続けることは可能です。

4~5年のキャリアがある有能な看護師は、美容クリニックとしてはぜひ採用したい人材なので、まずは美容クリニックの看護師として力をつけておくことが大切でしょう。

ただし、先ほどもお話ししましたが、ある程度の年齢になってくると採用されにくくなる傾向もあるので、その点についてはよく調べておく必要があります。

美容クリニックの看護師への転職に成功した事例

「男性並みに稼ぎたい」と考え、看護師の道を選ぶ

Aさんの父親はかつて中堅企業の経営者で、子ども時代は何不自由ない裕福な暮らしをしてきましたが、Aさんが中学生のときに父親の会社が倒産。それからは今までの生活が嘘のように、貧しい生活を強いられることになりました。

看護師A
看護師A

「人生なんていつどうなるかわからない。これからは女性も男性並みに働いて稼がなくては!」

と強く思ったAさんは、女性の中でも稼げる職種の代表格である看護師の道を選びました。

看護師A
看護師A

「病院の奨学金を利用して、卒業後に3年間勤めれば、実質無料で看護学校を卒業できる。それなら親に頼らなくても看護師になれる」

と思ったAさんは、必死で勉強をして看護学校を卒業し、総合病院の看護師になりました。

夜勤と残業の日々に疲れ果てる

看護師A
看護師A

「これでもう、生活の心配をしないで済む。看護師になって本当に良かった」

と思ったAさんですが、実際に内科病棟に配属されて実務に就いてみると、想像以上の激務に疲弊する毎日が続いたのです。

看護師A
看護師A

「残業続きで友だちとも会えない。毎日会う人といえば病気の人ばかりで、いくらお給料が良くても、こんな生活を私はずっと続けていくのだろうか?」

と思うと、Aさんは気持ちがどんどん落ち込んでいくのでした。

月に数回ある夜勤も、Aさんにとっては悩みのタネでした。夜勤をしても体調に何ともなく、「夜勤明けを有効に使えて嬉しい」と喜ぶ看護師さんもいるのですが、Aさんはそうではありませんでした。

夜勤をするたびに体調を壊しそうになり、

看護師A
看護師A

「自分は体質的に夜勤に向いていないのでは?」

と思うようになったのです。

友人の転職をきっかけに、美容クリニックの仕事に興味をもつ

それでもお金にはしっかりしているAさんのこと、

看護師A
看護師A

「奨学金の返済が猶予になるまでは辞められない!」

と思い、何とか3年間はがんばることに決めました。

そしてそろそろ3年間の看護師生活が終わろうとする頃、Aさんの看護学校時代の友人が、美容クリニックに転職したという話を聞きました。

看護学校時代の友人
看護学校時代の友人

「すごいのよ!先輩看護師がとてもやり手で、美容クリニックはインセンティブ収入が入るから、年間800万円ぐらい稼いでるんですって」

看護師A
看護師A

「え!800万円?」

年収800万円といえば、看護師の平均年収を大幅に上回る金額です。しかも、美容クリニックといえば、美を追求するクリニック。お客様が美しくなっていく姿を見られるなんて、内科病棟の仕事とは全然違う…

そう思ったAさんは、グイグイと美容クリニックの仕事に心惹かれていく自分を感じていました。

美容クリニックへの転職を決意

もともと看護師にあこがれてこの道に進んだわけではないAさんだったので、病棟看護師への未練はまったくなく、しかもAさんは学生時代から美容に興味があり、美しくなることへのあこがれを誰よりも強くもっていたのです。

そのことを友人に話すと、

看護学校時代の友人
看護学校時代の友人

「はっきり言ってAさんは、病院よりも美容クリニックの看護師に向いているかも。美容クリニックなら夜勤も残業もないから、体調も崩さないわよ」

と言われ、ついにAさんは美容クリニックへの転職を決意しました。

転職エージェントに相談し、初めて自分のキャリアを考え始める

その後、Aさんは友人の勧めで看護師専門の転職エージェントに登録し、キャリアカウンセラーに相談をしました。

そこでAさんは、キャリアカウンセラーから意外なアドバイスを受けたのです。

キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタント

「Aさんは3年間病院の看護師として経験されているので、現時点で美容クリニックの看護師になるためのスキルはしっかりとお持ちです。でも、5年後・10年後のキャリアについては、考えていらっしゃいますか?」

看護師A
看護師A

「え?5年後・10年後ですか?」

そういえば看護師になってお金を稼ぎたいと思っていただけで、将来どんなキャリアを歩んでいこうなんて思ったことはなかったと、Aさんは初めて気付きました。

キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタント

「まずはご自分のこれまでの経験を棚卸しし、自己分析を行って、将来のキャリアプランについて考えてみましょう」

「アンチエイジングを追求していきたい」と考え始める

キャリアカウンセラーからそう言われたAさんは、自分の思い描く将来像について、あらためて考え始めました。

看護師A
看護師A

「美容クリニックは、40代・50代になると転職が難しくなるケースもあるらしい。私も今は20代だけど、50代になったときに働けなくなってしまっては困る。できたら50代・60代になっても働きたい。

それに自分自身も、何歳になってもずっと美しさをキープしていきたい。そういう意味では、アンチエイジングにすごく興味がある」

いろいろと考えるうちに、Aさんはいつまでも若さを保つためにはどうすべきか、手術でシワをとるだけでなく、食生活や運動の大切さなどについても、もっと知りたいと考えるようになりました。

美をトータルでサポートする美容皮膚科を紹介される

Aさんがそのことをキャリアカウンセラーに話すと、キャリアカウンセラーが紹介してくれたのは、皮膚科専門医が食生活や紫外線の影響、運動面などをトータルでサポートする美容皮膚科でした。

キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタント

「美容クリニックには高鼻術やフェイスリフト、脂肪吸引などの手術を中心に行うクリニックもあるのですが、Aさんの場合はアンチエイジング中心の美容皮膚科の方が向いているかもしれませんね」

看護師A
看護師A

「はい、確かにそうです!」

Aさんはこのとき、自分の将来の目標をはっきりと自覚し、長期的な視野でキャリアを考えることができるようになっていました。

複数の美容皮膚科の中から、最も自分に合ったクリニックを選ぶ

Aさんは複数の美容皮膚科の面接を受け、その中で自分の思いにピッタリの考え方をもつ女性院長と出会い、スムーズに転職が決まりました。

看護師A
看護師A

「このクリニックなら、本当の意味での美容についてとことん学べそう!しっかりと院長先生に付いていって、アンチエイジングについて深く学び、自分自身が美をキープすることでより説得力をもってお客様に対応できる看護師になりたい」

と、意欲に燃えるAさんでした。

美容クリニックの看護師への転職に成功するためのポイント

クリニックの評判や内部情報をしっかりと集める

ひと言で美容クリニックと言っても、その内容や方針はクリニックによってかなり違います。

そのため、クリニックの情報を深く調べずに、外観のおしゃれ度や立地条件などに惑わされて転職を決めてしまうと、後で後悔することになるので注意しましょう!

実は、美容クリニックの中にはビックリするほどブラックなクリニックや、法律スレスレで営業しているような怖いクリニックもあるのが実情なのです。

美容クリニックの多くが自由診療であることもあって、金儲けのためにやりたい放題にやっているクリニックもあり、そうしたブラックな美容クリニックはかなり多いと思った方がよいかもしれません。

興味のあるクリニックがあれば、転職エージェントのキャリアカウンセラーから内部情報を聞いたり、口コミサイトの評判を確認するなどして、しっかりと下調べをしておくことをおすすめします。

応募をする前に、できれば職場見学を

募集要項やキャリアカウンセラーからの情報をなどを聞いて、「ここに応募してみたい」というクリニックが見つかったときは、実際に応募する前にできれば職場見学をしておくことをおすすめします。

クリニックによっては、見学不可のところがあるかもしれませんので、転職エージェントを通しての応募であれば担当のキャリアカウンセラーに聞いてみるといいでしょう。

話を聞いただけだと、実際にその場に行ってみるのとでは、そのクリニックに対する印象がだいぶ違います。

「何となく自分には合わないかもしれない」といった“何となく感じる印象”というのも、意外と大事なものです。

もし見学ができない場合は、面接に訪問した際にしっかりと職場をチェックしておくのがベストの方法です。

応募書類や面接で看護師としてのキャリアをアピール

「看護師の資格と経験があるのだから、病院でどんな仕事をしていたかについては、詳しく伝えなくてもいいだろう」と考える人もいるのですが、それではアピール力としてもうひとつです。

美容クリニックで看護師を募集しているのであれば、自分と同じように看護師の資格と経験をもつ人が複数人応募することが考えられます。

募集人員が1名なのに応募が5名あったときは、その中から自分が選ばれる存在にならなくてはいけません。そのために、応募書類の「志望動機」や「自己PR」の部分をどう書くかというのは、実はものすごく重要なのです。

自分がこれまでどんな仕事をしてきて、どんなスキルと能力があるのか、なぜこのクリニックを志望して、入職後はどのようにクリニックに貢献できるのかといったことを、しっかりと自己分析して応募書類で伝えましょう。

面接でも、美容クリニックで働きたいという思いを、自分の言葉でしっかりと伝える必要があります。

応募書類の添削や模擬面接は、転職エージェントのキャリアカウンセラーに依頼すると、対応してもらえます。内定をゲットするためにも、ぜひ書類添削や模擬面接をやっておくことをおすすめします。

まとめ

美容クリニックの看護師への転職についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

美容クリニックの看護師の仕事には夜勤や残業がなく、それでいて高給が望めるので、病院の看護師から美容クリニックにキャリアチェンジする看護師さんは少なくありません。

ただし一歩キャリアの道筋を間違えると、40代ぐらいになったときにクリニックを放り出されて、なかなか転職できないといった事態にもなりかねません。

自分自身が美容クリニックの看護師としてどんなキャリアパスを描きたいのかを明確にし、また応募先のこともじっくりと調べ上げた上で、間違いのない転職をしたいものですね。

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