「看護師の免許は取ったけれど、すぐに結婚してしまったので病院で働いたことがない」というように、臨床未経験の看護師さんは、病院の看護師として働くことができるのでしょうか？

また、入職後に無理なく仕事を覚えるためには、どんな病院を選んだらいいのでしょうか？臨床未経験の看護師さんがスムーズに働ける病院選びのポイントを、ご紹介しましょう！

臨床未経験でも、看護師の需要は十分にある

今まで医療施設の看護師として働いた経験のない人が、看護師の資格を活かして働きたいと思ったときに、まず心配になるのが「就職先はあるのだろうか？」ということです。

一般的な企業では、資格だけあって経験がなく何年か過ぎた人を採用するということは、ほとんどありません。

でも、こと看護師に限っては、状況がまったく異なるようです。

看護師の有効求人倍率は2.46倍

臨床未経験の人でも、看護師の資格があれば、病院などの医療施設で働くことは十分に可能です。

なぜかというと、いま医療施設は深刻な人手不足が問題になっており、看護師さんの有効求人倍率は2.46倍（政府統計e-Stat 令和元年 一般職業紹介状況・職業安定業務統計）と、職種全体の有効求人倍率1.42倍を大幅に上回っているからです。

そのため、臨床未経験の看護師さんでも病院側は受け入れたいと考えているので、看護師として働きたいと思っている人は積極的に応募するといいでしょう。

看護師はなぜそんなに不足しているのか？

いま日本には、保健師や助産師などを含む看護職員が約157万人以上いて、看護学校を卒業する人も毎年3万～3.5万人のペースで増加しているので、この10年間で看護師数は約1.4倍に増えています。

それなのになぜ看護師が不足しているかというと、超高齢化社会に突入したことで医療を必要とする後期高齢者が増加し、看護師が増えてもその増加率に追い付かないからです。

団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、196～206万人の看護職員が必要とされていて、看護師不足は国における大問題となっているのです。

潜在看護師の活用を、いま国が積極的に推し進めている

約71万人の看護師さんが、免許を持っていても働いていない

いま、看護師の資格を持っていても働かない「潜在看護師」の数は、約71万人いると言われています。

それに対して、就業看護師の数は2018年時点で121.9万人、准看護師30.4万人（平成30年衛生行政報告例【就業医療関係者】の概況より）、合計152.3万人となっています。

実に就業看護師の半数ほどにあたる人数が、看護師の資格をもちながら、働いていないというのが現状です。

2025年に看護師不足から医療がひっ迫するようなことにならないためには、潜在看護師を医療の現場に積極的に迎え入れるより他に、方法はないのです。

看護師経験がない人は、いまが就職の絶好のチャンス

このような状況下にあるので、国はナースセンターの機能を強化したり、看護師の勤務環境の改善を促進するなど、あの手この手で看護師さんの数を増やそうとしています。

ある意味、これは「看護師免許を持っているけれど、働いたことがない」という人にとっては、絶好の復職のチャンスといえます。

経験がなくてもウェルカムで病院に迎え入れてもらうことができ、一人前になるまで育ててもらうことができるので、看護師としての遅咲きのスタートを堂々と切ることができるでしょう。

臨床未経験でも何歳ぐらいまで看護師として採用してもらえる？

「看護師の需要はあるというけれど、いったい未経験者は何歳ぐらいまで採用してもらえるのだろう？」というのは、非常に気になるところです。

看護師の資格を持ちながら仕事をしなかった人の中には、「子育てに忙しくて働けなかった」「新卒で入職したけれどすぐに辞めてしまった」という人も少なくありません。

何年間かまったく違う環境に身を置き、「今なら看護師として働けるかも」と思ったときは、30代・40代になっていたという人もいるでしょう。

臨床未経験の看護師さんは、いったい何歳まで受け入れてもらえるのでしょうか？

30代以上になると、就職が難しくなるのは確か

20代であれば、未経験でも問題なく受け入れてもらえる可能性は高いのですが、30代あたりから未経験者の就職が少しずつ厳しくなってくるのは確かです。

まず、書類選考の時点で、30代・40代の未経験者は選考からはじかれてしまう可能性が出てきます。

これはただ単に若くないからという理由だけではなく、「看護師長の方が年下だから、使いづらいだろう」といった、職場内の人間関係を考慮している場合もあります。

看護師を募集する医療施設の中には、募集要項には記載していなくても、最初から「やっぱり未経験者は20代ぐらいまで」と決めている場合もあり、そういう病院にいくら応募をしても“暖簾に腕押し”になってしまうでしょう。

「30代・40代でも採用したい」と考えている医療施設は必ずある！

でも、ここで諦める必要はありません！先にもお話ししたように、看護師はどこの医療施設でも不足しているので、「年齢が高くても、長く働いてくれる人なら採用したい」と柔軟に考えている病院は、探せば必ずあるからです。

その場合、「どこの医療施設なら、30代・40代でもOKなのだろう？」というのを、自分自身で判断するのは難しいでしょう。

看護師専門の転職エージェントなど、転職のプロに相談しながら、「あの病院なら30代でも受け入れてくれますよ」といった情報を入手した上で応募するのが、ベストの方法です。

未経験の看護師が病院を選ぶときのポイント

医療施設の看護師として働いた経験のない人でも、看護師の資格があれば働き口があるということが、おわかりいただけたかと思います。

では、未経験の看護師が病院を選ぶときには、いったいどんなポイントに気を付けたらいいのでしょうか？

看護経験者が転職するときと違って、臨床未経験の人が就職を考える場合は、病院選びにはくれぐれも注意する必要があります。

下記のポイントをしっかりと押さえて、後で「こんな筈じゃなかった」と後悔しないよう、心から満足できる転職先を見つけましょう！

未経験者へのサポートが整っている病院を選ぶ

丁寧なサポートを受けることで、看護師としての自信をつけることができる

臨床未経験の人は、「注射や点滴すらまともに経験していないのに、本当に看護師としてやっていけるのだろうか？」という不安を持っているかもしれません。

看護師は人の命を預かる仕事ですから、そう感じるのは当然のことです。その不安を払拭するためにとても重要なのが、「未経験者のサポートが整っている病院を選ぶこと」です。

未経験で病院に入職すると、1年目は仕事のあまりの厳しさにショックを受け、不安を感じる看護師さんも数多くいます。

そのときに病院のサポート体制がしっかりしていると、丁寧な業務指導を受けることができ、メンタル面でも支えてもらえるので、看護師としての自信をつけることができるのです。

中途採用者もサポートしてくれる病院を選ぶこと

サポート体制は病院によって本当にまちまちで、「とくにサポート体制は設けていない」という病院もあれば、「新卒者だけサポートする」という病院や、「新卒者と中途採用者の両方をサポートする」という病院もあります。

新卒者だけサポートするという病院は多いのですが、中途採用者まで丁寧に面倒をみてくれる病院というのは、そう多くはありません。

でも、臨床未経験の人が間違って中途採用者のサポート体制がない病院に入職してしまうと、未経験のまま野放しのような状態になってしまいます。

そのようなことにならないよう、臨床未経験の人は必ず「中途採用者もサポートしてくれる病院」を選び、しっかりと先輩に付いて仕事を覚えていきましょう！

未経験から始めやすい診療科を選ぶ

内科や外科などは、新卒からバリバリ経験を積む看護師も多い

臨床未経験で看護師の仕事に就くなら、回復期のリハビリテーション病棟や慢性期の病棟、精神科病棟などのように、未経験から始めやすい診療科を選ぶと、スムーズに入っていくことができます。

内科や外科などは、新卒からバリバリと経験を積んだ看護師も多く、命にかかわるプレッシャーもあるので、臨床未経験者が途中から加わるのは厳しいものがあるでしょう。

臨床未経験でも入職しやすいのは、リハビリ系や精神科

その点、リハビリ系や精神科などは命にかかわるシビアな場面が少なく、一般的な看護のスキル以外の知識を入職後に学ぶことも多いので、中途採用者に対してもきちんと教育を行う傾向があります。

リハビリテーション病棟などは今後ますます需要も高まり、多くの看護師を必要とするので、未経験でも入職して何年かするとベテランのように堂々と働いているかもしれません。

クリニックなどは看護師経験者を求めるケースが多い

未経験で看護師の仕事を探している人の中には、「大きな病院に今から入るのは難しそうだから、地元のクリニックで働きたい」と考える人もいます。

でも、クリニックや診療所は大病院のようにサポートをする余裕がないので、経験3年以上の看護師を求めるケースが多いようです。

やはり先ほどもお話ししたように、研修制度の整った病院に入職して、サポートを受けながら覚えていくのが理想的でしょう。

クリニカルラダーのある病院を選ぶ

自分がどのレベルにいるのかを確認しながら仕事を進められる

臨床未経験の人が病院に入職するなら、「クリニカルラダー」（看護実践能力開発プログラム）の制度がある病院を選ぶことをおすすめします。

クリニカルラダーは看護師の能力開発・評価のシステムのひとつで、看護師としての能力を5つのレベルで評価されるので、自分がいまどのレベルにいるのかを確認しながら仕事を進めることができます。

看護師に必要な知識や経験をきっちり身につけられる

クリニカルラダーを導入している病院に入職すると、看護師に必要な知識や経験をきっちり身につけられるよう指導してもらえるので、確かなキャリアを積むことができるでしょう。

看護師を募集している病院がクリニカルラダーを導入しているかどうかは、プリセプター制度と同じで、募集要項を見ても書いていない場合があります。

看護師専門の転職エージェントに相談するなどして、事前に確認した上で応募するのが、ベストの方法です。

未経験の看護師におすすめの転職支援サービス

看護のお仕事

看護のお仕事のおすすめポイント

☑求人の量・質ともにNo.1。看護師として就職する人は登録必須

☑看護の仕事への不安や悩みを聞いてもらえる

☑残業の有無や職場の雰囲気など、生の病院情報を教えてもらえる

求職者の悩みや不安を聞くことからスタートしてもらえる

「看護のお仕事」の魅力は、求職者の悩みや不安を聞くところから、相談をスタートしてもらえることです。

看護師経験がなく何年か過ぎた人が、これから就職する場合は、「どこに就職するか？」よりもまず「本当に仕事ができるだろうか？」「人間関係で悩まないだろうか」といったことが、気がかりになるのではないでしょうか？

そんなときに「看護のお仕事」に登録すれば、条件面などよりも先に、まず話をじっくりと聞いてもらうことができます。

その上で、「この求職者にとって最適なのは、こういう病院では？」という観点から紹介してもらえるので、安心して任せることができます。

公開求人15万件以上、非公開求人12万件以上と、看護業界最多の求人数

「看護のお仕事」は、看護師専門の転職エージェントの草分け的な存在で、公開求人数だけでも15万件以上、非公開求人は12万件以上と、看護業界では最多の求人数を誇っています。

求人の質も高いので、看護師として就職したい人には必須の転職エージェントといえるでしょう。

病院の内部情報に詳しく、職場の生の声を知ることもできる

看護師として就職するにあたって、「残業はどの程度なのだろうか？」「職場の人間関係は良好なのだろうか？」というのは、とても気になる点です。

その点、「看護のお仕事」は各病院の内部情報にとても詳しく、実際に働いている看護師さんの生の声も知ることができるので、求職者としては大いに参考になるでしょう。

このような転職エージェントに相談しながら就職先を決めることで、「残業が多少はありますと聞いて入職したら、残業だらけだった」というような選択ミスもなくなり、安心して看護師としてのスタートを切ることができます。

看護roo！

看護roo！のおすすめポイント

☑面接対策が充実していて、病院ごとの傾向を教えてもらえる

☑しっかりとした転職サポートが受けられる

☑求人数も多く、たくさんの優良求人を紹介してもらえる

病院の面接の傾向や、面接担当者の役職など、貴重な情報を教えてもらえる

「看護roo！」の最も大きな特徴は、面接対策が充実している点です。他のエージェントも面接対策は行っていますが、「看護roo！」の面接対策はその中でもピカイチといえるでしょう。

どんな風にピカイチなのかというと、病院ごとの面接の傾向をよく調べていて、「この病院は面接時にこれを聞かれる」「この病院はこんな役職の人が面接官になる」といった貴重な情報を、教えてもらえるのです。

中には担当者が実際の面接に同行して、励ましてくれるといったケースもあります。臨床未経験で看護師として就職しようとする場合、面接対策は非常に重要なので、登録しておいて損はないでしょう。

サポートが丁寧で、利用者の満足度が高い

転職サポートの質の高さも、「看護roo！」を利用する上でメリットのひとつです。面接サポートが丁寧な点に関してはすでにお話ししましたが、全体的にサポートがしっかりしているので、「看護roo！」の利用者の満足度は高い傾向にあります。

ただし、担当者の当たり外れもあるので、その点は要注意です。

優良求人を数多くもち、地方の求人も取り扱っている

「看護roo！」は転職サービス30年の歴史がある転職エージェントで、公開求人数約5万件と求人数は「看護のお仕事」にはかないませんが、それでも優良求人を多数もっています。

そのため、「看護のお仕事」と合わせて登録することで、より求人の幅を広げることができるでしょう。

ナースではたらこ

ナースではたらこのおすすめポイント

☑対面での丁寧なサポートに定評がある

☑自分の希望する病院を“逆指名”できる

☑24時間電話で相談にのってもらえる

対面でしっかりとサポートをしてくれる

「ナースではたらこ」は、「バイトル」などで有名な大手人材会社・ディップ株式会社が運営する看護師専門の転職サービスです。

サポートの手厚さでは定評があり、対面でしっかりと相談にのってもらえます。札幌・新宿・名古屋・大阪・福岡の5ヶ所にナース・キャリア・ステーションがあるので、最寄りの窓口に行って相談することができます。

「仕事が忙しいから、電話やメールで対応してほしい」という人には向きませんが、対面でいろいろ相談しながら進めたい人にとっては最適でしょう。

働きたいと思う病院を“逆指名”できる

「ずっとあの病院で働きたいと思っていた」というように、お目当ての病院がある人は、「ナースではたらこ」に登録すると、たとえその病院の求人が出ていなくても“逆指名”することができます。

希望する病院名を伝えると、キャリアアドバイザーがその病院に直接問い合わせて、募集の有無や給与・休日などの条件をいろいろと確認してくれます。

こういうシステムがあると、「行きたい病院があったけれど、ちょうど転職の時期に求人が出ていなくて入れなかった」というような、残念な思いをしないで済みますね。

24時間いつでも電話で相談できる

また、24時間電話でいつでも相談にのってもらえるのも、「ナースではたらこ」の嬉しい点です。

看護師さんの中には、仕事がハードで連絡できる時間が限られている人もいるので、夜間でも相談できると気軽に連絡が取れるでしょう。

まとめ

臨床未経験の人が、スムーズに働ける病院選びのポイントについてお話ししましたが、いかがでしたか？

看護師さんの仕事は、女性が資格さえあれば何歳でも就職できる、極めて珍しい職種のひとつといえるでしょう。

収入的にも、女性の中ではかなり高い収入を得ることができ、高齢になってもずっと働き続けることができます。

その貴重な看護師資格を活かして、サポート制度のしっかりした病院に転職し、看護師として長く活躍されることを祈っています！

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