看護師が企業に転職するのはあり?なし?働く場合の職種・仕事内容・年収などを徹底解説!

更新日:2020.7.15

病院の看護師として働いていたけれど、病院よりも企業に転職したい」と考える人もいます。

病院で働く看護師さんが企業に転職すると、夜勤や残業・土日出勤などの辛さから解放されるため、企業への転職を希望する看護師さんは少なくありません。

でも、看護師さんが企業に転職するのは、実際のところどうなのでしょうか?向き不向きもありますし、会社勤務ならではの大変さもありそうですよね。

そうした点も含めて、企業で働く看護師さんのリアル・転職成功させるためのポイントについて徹底解説します!

企業の看護師には、こんな仕事がある

ひと言で「企業の看護師」と言っても、下記のようにさまざまな仕事があります。仕事内容もかなり違うので、転職を考える場合は自分の適性をよく考えて選ぶ必要があるでしょう。

産業保健師

企業の社員の健康を守る予防医療の専門家

企業に勤める看護師の職業として特に人気が高いのが、「産業保健師」の仕事です。

産業保健師とは、企業内の医務室や健康相談室などに勤務し、社員の健康の維持・増進を図る予防医療の専門家のことです。

夜勤や残業がなく、土日に休める

産業保健師の仕事が人気を集めている理由はさまざまありますが、その中でも大きな理由となっているのは、病院のように夜勤や残業がなく、土日に休めることです。

新卒で入職した頃は、病院でバリバリと働いてやりがいを感じていた看護師さんも、結婚や出産を考える年齢になると、仕事との両立に悩み始めます。

そのときに最もバランスのとれた条件で転職できるのが、産業保健師の仕事なのです。

医療ミスの不安がなく、明るい気持ちで仕事に向かえる

また、産業保健師は病院と違って健康な人を対象とするので、医療ミスの不安もなく、明るい気持ちで仕事に向かえるというのも嬉しい点です。

企業の多くは都会に集中しているので、おしゃれなカフェでランチを楽しめたり、大企業の医務室に転職できれば、充実した福利厚生制度を受けることもできるでしょう。

人気が高く、求人が少ないので、転職するには努力が必要

ただし、このように好条件の揃った産業保健師なので、求人倍率はかなり高く、転職はかなり狭き門となっています。

ひとつのナースステーションに何人もの看護師さんがいる病院と違って、ひとつの企業で必要な産業保健師はわずか数人。欠員が出ても、すぐに埋まってしまうというのが現状です。

産業保健師への転職を本気で考える人は、複数の転職エージェントに登録し、かつ知り合いで企業のコネがありそうな人を探すなど、あちこちにアンテナを張って転職活動を行う必要があります。

産業保健師の転職に成功したAさんの体験談

転職先を見つけるのが難しいと言われる産業保健師ですが、看護師さんの中には賢く転職活動をして、見事産業保健師のポストに就いた人もいます。

■結婚・出産を考えて、産業保健師への転職を決意
Aさんは看護学校を卒業後、大学病院の内科病棟で5年間働いていましたが、「そろそろ結婚をしなければいけない年齢だし、このまま病棟看護師として勤めたまま結婚をするのは難しい」と感じていました。

結婚相手は決まっていませんでしたが、「結婚してから転職をするのは大変だから、今のうちに子育て中でも働ける仕事に転職しておこう」と決めました。

そこでAさんが目を付けたのが、企業内の医務室勤務の仕事です。「産業保健師なら土日は確実に休めるし、残業もないから、子どもを保育園に預けて働ける」と考えたAさんは、早速転職活動を開始しました。

■看護師専門の転職エージェント3社に登録
最初はインターネット上の求人情報サイトを見ていたのですが、未経験可の産業保健師の募集はなく、困っていたところ、友人が「看護師専門の転職エージェントなら、産業保健師の求人をけっこう持っているって聞いたわよ」と教えてくれました。

そこでAさんは、早速看護師専門転職エージェント3社に登録しました。また、友人の中の数人が大企業に勤めていたので、「医務室に欠員が出たら教えてね!」とお願いし、看護学校の母校にもお願いしておきました。

■求人の連絡をもらう前に、応募書類対策を徹底
そして、「求人の連絡をもらう前に、応募書類対策を万全にしておこう!」と決め、転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談し、自己分析やキャリアの棚卸しをするなど、魅力的な応募書類の作り方を徹底的に研究しました。

できる限りの手を尽くしたAさんですが、転職活動を始めて2週間後、ついに転職エージェントから「生命保険会社の医務室勤務の求人があるので、応募してみますか?」と連絡が入りました。

早速Aさんは、考えに考え抜き、さらにキャリアコンサルタントの添削も受けてブラッシュアップさせた応募書類で、書類選考に挑戦。見事書類審査に合格しました。

■模擬面接を行い、自分でも面接の練習を繰り返し行う
「このチャンスを逃さずに、絶対に内定を勝ち取りたい!」と気合いを入れたAさんは、今度は面接対策に全力投球しました。

転職エージェントのキャリアコンサルタントにお願いをして、模擬面接を行ってもらい、自分のクセをしっかりと修正。説得力のある自己PRができるように、面接の練習を何度も繰り返し行いました。

そして面接当日。自信をもって会場に足を運んだAさんは、何度も行った面接の練習を土台に、自分の言葉で堂々と志望動機や自己PRを話すことができました。

そして数日後、20人いた応募者の中からただ一人、Aさんだけが内定の通知を受け取ったのです。

■働く目的や活かせるキャリアに気づいたことが、転職成功につながる
「応募書類対策や面接対策を通して、自分がなぜ産業保健師として働きたいのか、自分のキャリアを企業でどう活かせるのかを、明確にすることができた。それが転職の成功につながったように思う」と、つくづく思うAさんでした。

治験コーディネーター(CRC/Clinical Research Coordinator)

製薬会社が実施する治験をコーディネートする仕事

製薬会社が新薬を開発する際には、必ず「治験」を行いますが、その治験をコーディネートする仕事が「治験コーディネーター」です。

治験コーディネーターの転職先は、医療機関の治験事務局に直接雇用される場合と、SMOと呼ばれる民間の治験施設支援機関に所属する場合の二通りがあります。

医療機関の場合は、院内の職員が治験コーディネーターに配属されるケースも多いので、多くの人はSMOに所属して、そこから各医療機関に派遣されることになります。

新薬開発を通して社会に貢献でき、スキルアップもできる

治験コーディネーターの具体的な仕事内容としては、病院などの医療機関を訪問して、治験が定められた基準に則って行われるよう、医師や看護師・薬剤師などと連携をとりながら全体をコーディネートします。

新薬開発を通して、社会のお役に立っていることを実感できる仕事なので、看護師として大きなやりがいを感じることができるでしょう。

薬や医療に対する知識を深めることもできるので、日々スキルアップできる仕事でもあります。

初年度の年収は看護師に比べて低いが、土日に休める

ただし、治験コーディネーターの初年度の年収は300万円~400万円と、病院の看護師に比べると低めです。

経験を積むことで給与は上がっていきますが、数年間は我慢する必要があるでしょう。また、移動が多いことや、残業がある程度発生する場合があることは、覚悟する必要があります。所属するSMOによっては、転勤が発生することもあるので、確認しておいた方がいいでしょう。

企業の社員なので、基本的に土日が休みで夜勤がないのは、病院の看護師に比べて嬉しい点です。

臨床開発モニター(CRA/Clinical Research Associate)

治験が適切に実施されていることを確認する仕事

治験をコーディネートするのが治験コーディネーターなら、治験が適切に実施されていることを確認するためにモニタリング業務を行うのが、「臨床開発モニター」の仕事です。

治験を実施する医療機関を訪問し、治験担当の医師や被験者などを調査して治験のモニタリングを行い、治験結果を製薬会社に報告します。

年収は治験コーディネーターよりも高い

臨床開発モニターの転職先は、製薬会社に直接雇用される場合と、CROと呼ばれる医薬品開発業務受託機関に所属する場合があります。

CROに所属すると、さまざまな製薬会社の治験を経験できるので、より幅広いスキルを身につけることができるでしょう。

臨床開発モニターの年収は未経験で350万円~450万円ほどあるので、治験コーディネーターに比べて高めです。

今後ますます需要が高まる、将来性のある仕事

新薬開発業務のアウトソーシング化が進みつつある今、臨床開発モニターの需要はますます高まっており、非常に将来性のある仕事といえます。

ただし、病院間の移動が大変と感じる人もいて、治験の内容によっては残業が多く発生する場合もあります。

そのため、結婚・出産後に仕事を続けていくのが難しい可能性もあるので、転職前にその点はよく確認しておいた方がいいでしょう。

クリニカルスペシャリスト

医療機器の販売をする営業職

営業の仕事に興味がある人におすすめなのが、「クリニカルスペシャリスト」です。

クリニカルスペシャリストとは、医療機器メーカーの社員として、自社で開発した医療機器などの販売を行う営業職のことです。

医療機器を実際に使ってきた看護師の経験が活かせる

「看護師が営業職に?」と驚く人もいるかもしれませんが、看護師さんは病院で実際に医療機器を使って仕事をしているので、どんな医療機器がよいかというのを肌で感じています。

そのため、利用する側の立場に立った営業ができ、ドクターなどに対しても説得力があるので、医療機器メーカーも看護師経験のある人を積極的に採用するのです。

高い探求心をもつ人に向いている仕事

クリニカルスペシャリストは、医療機器や疾患に関して深い知識をもつ必要があるので、高い探求心をもつ人に向いている仕事です。

通常の営業マンのように上手に立ち回ることが得意な人よりは、多少の不器用さはあっても、仕事に対して真摯に向き合うことができる人の方が、向いているでしょう。

努力と実績次第では、看護師以上の収入が期待できる

クリニカルスペシャリストは営業職なので、努力と実績次第では看護師以上の収入も期待できます。

ただし、月によって収入にバラつきがあり、商品を販売するというのは病院の仕事とはまったく違った大変さもあるので、転職をする際は自分の適性をよく考えて選択しましょう。

メディカルコールセンターのオペレーター

医療や健康・介護などの電話相談に応じる仕事

看護師の資格と経験を活かして、「メディカルコールセンター」のスタッフとして働くこともできます。

生命保険会社や製薬会社、クレジットカード会社、ドラッグストアチェーンを展開する会社などでは、顧客サービスの一環として、会員さんの医療や健康・介護などの相談に応じるメディカルコールセンターを設けています。

コールセンターのスタッフは、医療や健康管理に詳しくなければならないため、看護師資格を持つ人を採用するケースが多いのです。

これまでの医療施設での経験を活かして、会員さんの健康をサポートするという点では、看護師としてやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

充実した福利厚生制度を利用できる

コールセンターをもっている企業は大企業が多いので、充実した福利厚生制度を利用できるというメリットがあります。

オフィスも都心にあることが多く、ランチやアフターの楽しみも増えるでしょう。会社主催の社員旅行や親睦イベントなどもあり、病院とはまったく違うオフィスライフを満喫することができます。

土日は出勤で、夜勤がある会社も多い

ただし、メディカルコールデンターは基本的に土日もやっていることが多く、産業保健師のように土日休みではありません。

夜勤がある会社も多く、子育てをしながらコールセンターのスタッフとして働き続けるのは、難しいかもしれません。その点もよく考えて、転職を決める必要があります。

クリニカル・エデュケーター(CE/Clinical Educator)

医療従事者に向けて教育・啓発活動をする専門スタッフ

「クリニカル・エデュケーター」という職種は、日本であまり知られていませんが、欧米では広く普及している職業です。

医師や看護師・薬剤師などの医療従事者に向けて、教育や啓発活動をする専門スタッフのことで、クリニカル・エデュケーターを募集する企業の多くが看護師の資格を条件としています。

経験年数は企業によってさまざまですが、たとえば病棟経験5年以上でプリセプター経験があるなど、病棟での豊かな看護師経験を求める企業も少なくありません。

仕事によっては、ある程度の英語力が求められる場合もあります。

さまざまな医療機関を訪問し、治療や看護の最新情報を提供

クリニカル・エデュケーターになるには、SMO(治験施設支援機関)やヘルスケアサービスを展開する企業などに転職するのが一般的です。

具体的な業務内容としては、さまざまな医療機関を訪問し、医師や看護師などに対して専門の疾病領域に関する治療や看護の最新情報を提供します。

たとえばがん病棟の医師や看護師に、「患者や家族に対する副作用のケア方法」「患者の痛みの緩和に関する指導法」といったテーマで、教育・啓発を行うといった形です。

患者が安心して治療できるよう支援することが目的

クリニカル・エデュケーターの仕事を、薬剤を販売するプロモーション活動と思っている人もいるのですが、そうではありません。

医師や看護師などに対して、疾患や薬剤の理解を深めるための活動をすることで、患者さんが安心して治療できるよう支援するのが本来の目的です。

そうした教育・啓蒙活動に興味のある看護師さんなら、やりがいをもって働くことができるでしょう。

高収入が期待でき、土日に休める仕事

クリニカル・エデュケーターの大きな魅力は、実力次第で高収入が得られる点です。未経験の初年度年収が450万円~500万円ほどあり、経験と実績を重ねることで600万円~700万円以上の収入を得ることも可能です。

企業の社員なので、基本的に土日はお休みですが、遠方の医療機関に出向くときは泊りがけの出張が発生する場合もあります。

メディカルライター

医療機器の販売をする営業職

書くことが得意な看護師さんは、「メディカルライター」として企業に転職する道もあります。

メディカルライターとは、健康や医療に関する専門的な情報を発信するライターのことで、医療の専門家や製薬業界などに向けて発信する「メディカル・ライティング」と、医療サイトなどを通して一般向けに発信する「ヘルス・コミュニケーション」の2種類があります。

新薬の製造承認申請などを行う「メディカル・ライティング」

メディカル・ライティングは薬事申請や研究成果の発表といった専門的な部分で使われ、一般の人が目にすることはほとんどありません。

たとえば新薬の申請をするときには、厚生労働省に製造承認の申請を行いますが、そのときに提出する薬事申請書などの書類を作成するのがメディカルライターの仕事です。

ライターとはいっても、一般的なライティングとはかなり違った専門性を求められる仕事ですが、それだけに希少価値が高く、製薬会社や医療機関からの一定した需要があるので、フリーランスになって高収入を得ている人もいます。

医療情報サイトなどの記事作成を行う「ヘルス・コミュニケーション」

かたやヘルス・コミュニケーションは、医療情報サイトや医療系出版社などの記事作成を行う仕事なので、ある程度一般的なライターに近いといえます。

たとえば医療情報サイトの制作会社にメディカルライターとして転職すると、サイトの企画運営などにも関わることができるので、看護師時代にまったく経験しなかったような世界で才能を発揮することができるでしょう。

ほかにもまだまだある、企業で活躍する看護師の仕事

白衣の製造会社や法律事務所などからの募集もある

企業で活躍する看護師の仕事は、ほかにもまだまだあります!

たとえば、看護師さんが着用する白衣の製造・販売を手がける企業が看護師の資格を持つ人を募集したり、医療訴訟などを扱う法律事務所が、カルテやデータなどを必要とする意見書の作成員として看護師を募集したりすることもあります。

医療系ITベンチャーなど、さまざまな世界に羽ばたくことが可能

最近は超高齢化に伴ってインターネット上の医療サービスが増えていくため、医療系ITベンチャーなどが看護師さんを募集するケースもあります。

また、企業ではありませんが保育園や乳児院・児童養護施設の看護師、小・中・高校・大学などの教育施設の看護師、看護師養成所の指導員、献血センターの看護師、検診・健診センターの看護師など、さまざまな転職先も考えられます。

このように、看護師という資格をもっていることによって、病院だけでなくさまざまな世界に羽ばたくことが可能なのです。

企業で働く看護師の一日のタイムスケジュール例

一日のスケジュールは職種によってさまざま

企業で働く看護師さんは、いったいどんなタイムスケジュールで働いているのでしょうか?

ひと言で企業の看護師といっても、一日のスケジュールは職種によってさまざまです。ここでは、産業保健師と治験コーディネーターを例に挙げてご紹介しましょう。

産業保健師はほぼ毎日社内勤務で定時退社

産業保健師は毎朝定時に出社して社内で作業をし、定時に退社するという、典型的な内勤社員のスケジュールです。

産業保健師の1日のスケジュール

9:00 出社・午前の仕事
・メールチェック
・その日の業務の確認・準備

10:00 社員への対応
・血圧検査など
・健康診断の結果確認と報告
・面談のスケジュール調整

12:00 お昼休み

13:00 午後の仕事
・資料やデータの作成
・社員面談
・翌日の準備
 
17:00 退社

体調が急変した社員を病院に連れて行くなど、イレギュラーなことはありますが、ほとんど残業はなく、定時で退社できます。

仕事が忙しくてランチを食べ損ねるというようなことも、ほとんどありません。お子さんがいる人は、保育園のお迎えにも無理なく間に合うでしょう。

治験コーディネーターの仕事は移動が多く、ときには残業もある

治験コーディネーターの場合は、朝オフィスに出社してから担当の病院に向かい、終日病院で働いて直帰する場合もあれば、午前と午後で行く病院が違う場合など、日によってスケジュールはさまざまです。

治験コーディネーターの1日のスケジュール

9:00 出社
・メールチェック 
・その日の業務の確認・準備

10:00 担当する病院を訪問
・被験者のカルテの確認
・治療薬や検査キットの準備
・治験実施中の被験者への対応など

12:30 お昼休み
 
13:30 医師や製薬会社の担当者と打ち合わせ

15:30 治験参加候補者の診察に同席
・インフォームドコンセントの補助業務など

17:00 事務処理
・メールチェック
・業務報告書の作成

18:00 直帰

終日オフィスで過ごす産業保健師に比べると、移動の大変さや毎日違う場所で働くことの精神的な負担はありますが、さまざまな場所に出向くことが好きな人は、飽きずに働けるかもしれません。

ただし、治験コーディネーターは担当施設によって、残業が発生することもあります。毎日定時に帰れるときもあれば、繁忙期には1日2~3時間ほど残業するなど、平均して一日1時間以上の残業をしている治験コーディネーターも少なくありません。

また、一日に2件の医療施設を回るときなどは、移動に時間を取られてランチを食べ損ねるようなことも発生します。いかに上手にスケジュールを調整するかも、治験コーディネーターの腕の見せどころです。

企業で働く看護師の平均的な年収例

転職当初の年収は、病院の看護師よりも減収になる場合が多い

医療施設の看護師さんが企業の看護師として転職する場合、看護師の経験があっても職種は未経験なので、転職時の年収は看護師時代より下がると考えておいた方が賢明です。

たとえば総合病院で450万円の年収をもらっていた20代後半の看護師さんが、SMOの治験コーディネーターとして転職した場合、当初の年収は300万円台前半になることもあります。

そのため、企業に転職した時点では、「お給料が安くなってしまった」と感じる看護師さんも多いかもしれません。

企業に転職してから年収が上がるケースが多い

ただし治験コーディネーターの場合は、未経験で入社してから4~5年間は、年間3万円~15万円ほど安定して昇給する傾向にあります。管理職になると、さらに年20万円~50万円ほどの役職手当が加算されます。

臨床開発モニターは治験コーディネーターよりも年収が高く、20代で400万円台前半、30代で400万円代後半、40代で500万円台前半というように、能力によってコンスタントに昇給していく人もいます。

実力次第で600~800万円稼げる職種もある

メディカルライターやクリニカル・エデュケーターなどは、未経験の時点で400万円~500万円の年収が得られる企業もあり、実力次第で600~800万円ほど稼ぐ人もいます。

このように、医療施設の看護師から企業の看護師への転職にあたっては、長い目で見た年収のアップを視野に入れて考えることが大切です。

産業保健師の平均年収は400~500万円ほど

では、看護師さんの転職先として人気の高い産業看護師の年収はどうでしょうか?

企業の規模や地域によってもかなり収入は違いますが、産業保健師の平均年収は400~500万円ほどと、残業や夜勤のない仕事でありながら、病院の看護師に近い収入が期待できます。

ただし、企業によっては20代で年収300万円ほどの産業保健師がいたり、逆に大手企業で働く30代の産業看護師さんの中には年収600万円を確保している人もいるなど、企業の規模や年齢によって収入に開きがあります。

産業看護師の月収・年収の事例

年収 400万円(29歳・女性)
月収 25万円+諸手当1万円
賞与 年間100万円
勤務地 神奈川県

この方の場合、入職時の月給は20万円でしたが、毎年コンスタントに給与が上がり、5年後に25万円になりました。大企業なのでボーナスも4ヶ月分支給されるため、年収としては400万円を確保しています。

企業の看護師が人気の理由とは?メリットを解説

夜勤がない

生活のリズムが整うので、体調を壊す心配なく働ける

企業の看護師に転職する最も大きなメリットは、病院のような夜勤がないことです。

夜勤が苦にならない看護師さんや、「夜勤手当があった方が収入が増えるからいい」と考える看護師さんには関係ありませんが、「夜勤で生活のリズムが乱れるのが辛い」と悩んでいる看護師さんにとって、夜勤がまったくない企業勤務の仕事は非常に魅力的です。

実際、病棟看護師から定時で帰れる産業保健師の仕事に転職すると、毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝ることができるので、体調を壊す心配もなく安心して勤め続けられます。

メディカルコールセンターには夜勤がある

ただし、同じ企業勤務でもメディカルコールセンターは、夜間の相談にも応じるので、夜勤が発生する場合もあります。

24時間サポートを行っているコールセンターは、病院の病棟勤務と同じように日勤・準夜勤・夜勤の三交代制か、日勤・夜勤の二交代制になっています。

企業によっては、日勤のみの社員と夜勤のみの社員を分けて募集するケースもあるので、夜勤を避けたい人はそういう募集を探して応募するのもひとつの方法です。

残業が少ない

子育て中の女性でも無理なく働き続けられる

夜勤がないことと共に、病棟勤務の人のような過酷な残業がないことも、企業に勤務する看護師さんの大きなメリットです。

特に産業保健師の仕事はほとんど残業がなく、休日出勤などもないため、子育て中の人でも無理なく働き続けられます。

大企業の場合は福利厚生制度も充実していて、育児をする女性社員を応援する風土も育ちつつあるので、さまざまな点で助けられながら無理なく子どもを育てられるでしょう。

職種によってはハードワークの場合もあるので注意を

ただし、同じ企業勤務でも、職種によっては残業の多い仕事もあります。

たとえば臨床開発モニターやクリニカルスペシャリストなどは、仕事の内容次第でかなりハードワークになることがあります。

忙しさの度合いは職種だけでなく、企業の方針などによっても違うので、転職前によく調べておいた方がいいでしょう。

土日に休める

子育て中の人や会社員の夫(妻)を持つ看護師さんが強く希望する条件のひとつに、「土日休み」があります。病院の看護師は土日に休めないことがネックになっている人も多く、「家族と同じ日に休みたい」という理由から、企業への転職を考える人は少なくありません。

メディカルコールセンターの仕事以外なら、企業に勤める看護師さんのほとんどは土日に休めるので、子育て中の人は家族と一緒に休日を過ごすことができます。

運動会や親子遠足などのときも、「休暇の希望を出したけれど、本当に休めるだろうか?」とハラハラすることもなく、子どもの期待を裏切らずに参加することができるでしょう。

重労働ではない

企業の看護師はデスクワークが多く、立ち仕事が少ない

病院の看護師さんはほとんど立ち仕事で、患者さんの移動の際などには力を使うことも多いのですが、企業の看護師にはそういう大変さはありません。

企業に勤める看護師はデスクワークが多く、立ち仕事になることはあっても長時間になることは少ないので、足のむくみに悩んだりすることもありません。

意識的に運動する機会をもつことが大切

逆に、メディカルコールセンターなどのようにデスクワークが中心の仕事は、動かな過ぎで運動不足になることが心配です。

病院から企業の看護師に転職した人は、意識的に運動する機会をもつことが大切です。

手厚い福利厚生が受けられる

手厚い住宅手当や育児支援制度、施設の割引などが受けられる

産業保健師を採用する企業は大企業も多く、正社員として採用されることでさまざまな「福利厚生制度」を利用できるのは、看護師さんが企業に転職する上で大きなメリットです。

たとえば手厚い「住宅手当」や「家賃補助」が受けられたり、「育児休暇」や「育児支援制度」「アニバーサリー制度」などの制度があったり、「スポーツ施設の割引」「宿泊施設の割引」などが受けられる企業もあります。

社員旅行や社内イベントも盛ん

病院ではなかなか実現できない「社員旅行」や「社内イベント」なども、企業では盛んに行われています。

ほかにも社内の「カフェテリア」で挽き立てのコーヒーの無料サービスが受けられるなど、優秀な社員を獲得するためにさまざまな工夫をする企業が増えてきたようです。

こうした福利厚生制度があることで、給料の金額だけでは計算できないさまざまな恩恵を受けることができるのは、企業の看護師ならではの特典といえるでしょう。

医療ミスへのプレッシャーから解放される

病院の看護師をしている人の多くは、日々医療ミスへの恐怖を感じながら、常に緊張した状態で仕事をしています。

「患者さんを救う」という使命感に燃えている人にとっては、それが仕事のやりがいにつながりますが、いつ医療事故を起こさないかと不安を感じながら働いている看護師さんも少なくありません。

企業の看護師に転職することで、こうした医療ミスへのプレッシャーを感じる機会は、極めて少なくなります。

看護師が企業に転職するデメリットもある

転職希望者が多いのに、求人が少ない

産業保健師などのように、結婚・出産後も無理なく働ける職種は、人気が高いのに求人が少なく、転職しようと思ってもなかなかできない人がいるのが現実です。

その他の職種も、人手不足で常に看護師の求人がある病院と比べると、かなり狭き門であることは確かでしょう。

企業に本気で転職したいと考える人は、下記の「企業の看護師への転職に成功するためのポイント」をしっかりと実践して、並み居るライバルの中で“選ばれる応募者”になることが大切です。

いったん企業に転職すると、もう病院には戻れない

病院の看護師と企業の看護師では、積むべきスキルがまったく違う

病院の看護師から企業の看護師にいったん転職した人は、数年後に「やっぱり病院の看護師に戻りたい」と思っても、それはできないと思った方がよいでしょう。

病院の看護師と企業の看護師では、仕事の内容も積むべきスキルも、まったく違います。そういう意味では、看護師の資格や経験を活かせる仕事ではあっても、看護師本来の仕事とはまったく違う世界に飛び込むのだと思った方が賢明です。

「本当に病院の看護師の道を捨ててもいいのか?」を、よく考えること

たとえば医療情報サイトのメディカルライターになった人は、医療の技術を磨く機会はまったくなく、医療情報を通した読者とのやり取りや、サイトをどう発展させていくかといったマーケティング的な発想が求められるようになります。

そのため、将来的に別の情報サイトの運営企業に転職したり、フリーランスのメディカルライターになることはあっても、病院の看護師に戻るという選択肢はあり得ないでしょう。

そのため、「自分は本当に病院の看護師としての道を捨ててもいいのか?」というのは、よくよく考えておく必要があります。

病院よりも転職時の初任給が安い

職種によって一概にはいえませんが、病院の看護師が企業に転職すると、多くの場合初任給が下がることになるでしょう。

転職後にスキルを積むことによって、看護師以上の年収を得ることは可能ですが、そうなるまでには数年かかると思われます。

そのため、病院から企業への転職を考える看護師さんは、年収が下がることを覚悟の上で転職活動を行うのが賢明です。

パソコンのスキルが必須

企業で働く看護師のほとんどは、日々パソコンを使うので、転職するにはパソコンのスキルが必須です。

ではどの程度のスキルかというと、Word やExcelが問題なく操作できる程度のレベルは、最低限必要でしょう。職種によっては、PowerPointなどのスキルも求められます。

「仕事でほとんどパソコンを使っていなかった」という人は、パソコンスクールを受講するなどして、文書作成や表作成の基本的なスキルを身につけておくことが大切です。

「病院よりもやりがいがない」と感じる人もいる

病院の看護師のやりがいと、企業の看護師のやりがいはだいぶ違う

病棟の看護師としてバリバリと働いていた人が、定時で終わる産業保健師などの仕事に転職すると、「病院よりもやりがいがない」と感じてしまう人もいます。

病院の看護師は、患者さんの健康にかかわる重大な事態に直面するので、患者さんを守り快方へとサポートすることに、大きなやりがいを感じることができます。

毎日緊張感と使命感を感じながら、「患者さんを助ける」という目的に向かって仕事に没頭できるのは、病院の看護師ならではのやりがいでしょう。

自分がどんなことにやりがいを感じるタイプかを、認識しておくことが大切

ところが企業の看護師のやりがいというのは、それとはだいぶ違うところにあります。

たとえば治験コーディネーターの職種に転職した場合は、医師や製薬会社などの間に入ってうまく調整役としての務めを果たせることが、やりがいにつながります。

治験のその先には患者さんがいて、間接的に人命を守ることにはなるのですが、病棟の看護師のように直接感謝されるといった喜びを感じることはありません。

企業への転職を考える人は、まず自分が働く上でどんなことに最もやりがいを感じるタイプなのかを、あらためて認識しておくことが大切です。

第二新卒でも企業に転職できる?

第二新卒で企業の看護師に転職するのは難しい

「看護学校を卒業して病院に就職したけれど、ものすごく忙しくて夜勤もあり、仕事の楽な企業の看護師に転職したい」と考える人も、いるかもしれません。

結論から言うと、経験1年程度の看護師さんが第二新卒で企業に転職しようとしても、産業保健師や治験コーディネーター、メディカルコールセンターのスタッフといった看護師の経験を活かす仕事に就くのは、かなり難しいでしょう。

最低3年は医療施設の看護師としての経験を積んでから転職を

企業の看護師募集自体が、もともとそう多くはないということもありますが、第二新卒の看護師さんが企業で採用されないのはもっと大きな理由があります。

看護師を募集する企業の多くが、「看護師経験を業務で活かしてもらいたい」と考えていて、1年程度の看護師経験ではスキルが足りないからです。

もし「企業の看護師にどうしても転職したい」と考える場合は、最低3年は病院などの医療施設の看護師として経験を積み、その経験を活かして転職することをおすすめします。

企業の看護師への転職に成功するためのポイント

転職の目的をはっきりさせる

自分の都合だけを考えて転職活動を行っても、成功しない

看護師さんが企業への転職に成功するために最も重要なポイントは、「何のために企業に転職するのか?」という目的をはっきりとさせることです。

企業への転職を考える看護師さんの中には、「将来結婚をしたいので、土日に休めて定時で帰れる仕事に就きたい」と考えて、企業への転職を考える人も数多くいます。

それは転職理由として十分あり得るのですが、自分の都合だけを考えて転職活動を行っても、人気の高い企業の看護師の採用試験にパスすることはできません。

希望する仕事に対して、どんな思いをもっているかが大切

企業の看護師への転職に成功するためには、希望する仕事に対してどんな思いをもっているかが、とても重要です。

たとえば企業の産業保健師に応募したいと考えたときに、Aさんは「そろそろ結婚を考える年齢になったので、いつまでも夜勤のある仕事を続けられないから、日勤で定時で帰れる仕事に就きたい」という志望理由だったとします。

その場合、たとえ応募時に上手な理由を取り繕ったとしても、採用担当者は鋭くそれを見抜いてしまうでしょう。

かたやBさんは、「病棟で看護師として働いているうちに、病気になる以前の予防がいかに大切かを痛感し、今後は予防医療の専門家として企業の社員の方々の健康を守りたい」という目的で、応募をしたとします。

どちらの応募者を企業が欲しがるかは、言うまでもないでしょう。このように、自分がなぜ転職したいのかという前向きな動機をはっきりとさせることが大切です。

なぜその企業に応募したいのかを明確にする

企業の看護師の就職先は、実にさまざまあります。その中から、なぜたったひとつの企業を選んだのかということも、転職を成功させる上で重要なポイントです。

たとえば、教育のICT化を進める企業への転職を希望しているとしたら、こんな志望理由が考えられるでしょう。

「学校のICT化は急務であり、御社の事業は今まさに社会にとって必要だと考えております。そんな重要な業務に携わる社員の方々が、健康ではつらつと仕事ができるよう、予防医療のプロとして支えていきたいと思います」

こうした応募企業への“熱い思い”をもっていると、採用試験でもその思いを、自分の言葉で熱く伝えることができます。

この「自分の言葉で伝える」ということが、面接で内定を勝ち取るために非常に重要なポイントといえます。

面接では、自分の言葉で思いを伝えることがとても大切!

ネットに載っている志望動機や自己PRの模範例を真似するのはNG

ここ数年、インターネット上にはさまざまな転職のノウハウ情報が溢れていて、企業の担当者もその情報を、日々しっかりとチェックしています。

そういう意味で、企業の担当者は応募者のごまかしなどまったく通用しない、“手ごわい存在”です。「こうすれば企業の看護師に転職できる」的なノウハウを見て、志望動機や自己PRの模範例を真似しても、まったく響きません。

担当者によっては、「ネットに載っているような志望動機や自己PRを面接で話した人は、それだけで内定の候補から外す」と考えているケースもあるほどです。

転職に対する思いをしっかりもち、それを“自分の言葉”で話すこと

企業の人事担当者がどう考えているかということ以前に、やはり面接では自分の転職に対する思いをしっかりともって、それを“自分の言葉”で話すということがとても大切です。

不思議なもので、本物の思いをもって一生懸命に伝えると、それが多少たどたどしくても、なぜか相手に通じてしまうものです。

自分にどんな能力があって、どんな点で企業に貢献できるのか、そしてこれから何がしたいのかといった意思をはっきりともった上で、採用試験に臨みましょう!

転職エージェントに相談する

企業という未知の世界に対して、理解を深められる

企業の看護師に転職する際に必須ともいえるのが、看護師専門の転職エージェントへの登録です。

なぜなら、医療施設の看護師から企業の看護師に転職するときは、まったく未知の世界に足を踏み入れることになります。

そのときに、ハローワークの相談員に相談しても詳しい情報は得られませんが、転職エージェントならさまざまな有益な情報を得ることができるのです。

職場の雰囲気や残業の有無なども知ることができる

転職エージェントから得られる情報は、実にさまざまあります。

企業の看護師が実際にどんな仕事をするのかという情報はもちろん、職場の雰囲気から残業の有無、育児休暇の取得状況まで、求職者が知りたいと思うさまざまな情報を入手することができます。

なぜそれだけの情報を入手できるのかというと、転職エージェントの担当者は企業とのつながりが深く、実際に企業に足を運んで生の情報を仕入れているからです。

こうしたリアルな情報を聞きながら、「定年まで気持ちよく働ける企業はあるだろうか?」「本当に自分は企業の看護師としてやっていけるだろうか?」といったことを、キャリアコンサルタントに相談しながら考えていくことができるのが、転職エージェントの大きなメリットです。

応募書類の添削と模擬面接は必ず受けておくこと

倍率の高い企業に応募するときは、書類選考でまず落とされてしまう可能性があるので、応募書類の添削は絶対にやっておくことをおすすめします。

担当のキャリアコンサルタントに「応募書類を作ったので、添削してもらえますか?」と依頼すると、プロの視点から的確なアドバイスをもらえるので、より魅力的な応募書類に仕上げることができます。

書類選考が通った後は、ライバルの中から選ばれるために、面接対策も必須です。キャリアコンサルタントに「模擬面接をやってもらえますか?」と依頼すると、そのための時間を取ってもらえるので、そこで自分のクセやアピールが不足している点などをしっかりと指摘してもらいましょう。

転職エージェントの利用は無料。2~3社に登録して比較検討を

「転職エージェントはお金がかかるのでは?」と思っている人もいるのですが、転職エージェントは募集する企業側からお金をもらっているので、求職者から料金を徴収することはありません。

そのため、たった1社に登録するのではなく、2~3社のエージェントに登録するのがベストの方法です。

エージェントにもさまざまなコンサルタントがいるので、複数の会社に登録して、その中から自分に合ったコンサルタントを見つけると良いでしょう。

求人案件としても、エージェントごとに独自の非公開求人をかかえているので、複数のエージェントに登録した方が求人の幅が広がります。

企業とその業界のことを詳しく調べる

企業研究・業界研究をしっかりと行っておく

病院に就職するときは、「どこの病院が条件が良くて働きやすいだろうか?」といった選択の仕方でも問題ありませんが、企業に転職をする場合はそうはいきません。

その企業がどんな理念をもって、どのような事業を行っているのか、今後の企業としての成長性はあるのか、業界全体としてどうなのかなど、企業研究・業界研究をしっかりと行っておく必要があります。

応募書類の作成や面接対策にも大いに役立つ

そうすることによって、自分の転職先としてその会社が適切かどうか、長く勤め続けられる体力のある会社かどうかなどを知ることができ、応募書類の作成や面接対策にも大いに役立ちます。

自分に本当に適性があるかどうかを確認する

転職をした後で、「やっぱり自分には向いていない」と後悔する人もいる

医療施設から企業に転職する場合は、右も左もわからない状態なので、選んだ仕事が自分に本当に向いているかどうかを見極めるのは難しいものがあるでしょう。

そのため、転職をした後に「やっぱりこの仕事は自分には向いていない」と気付いて、後悔する人もいるのが現実です。

ナース仲間がいないことで、孤独を感じることもある

たとえば産業保健師の場合、「社内にいる看護師は自分一人」というケースも少なくありません。病院のようにナース仲間がいるわけではないので、気軽に話し合える同僚もできずに、孤独を感じてしまうこともあるでしょう。

メンタル面のサポートの大変さに、戸惑いを感じることも

また、産業保健師は医師と二人三脚で社員の健康を守る責務がありますが、最近はうつ病を発症している社員も多く、メンタル面のサポートも欠かせません。

今まで外科や内科などに勤務していた看護師さんは、メンタル面のサポートの大変さに、戸惑いを感じることもあるでしょう。

その他にも、「デスクワークは自分には向いていなかった」「患者さんに笑顔で接していた頃がなつかしい」など、本当は病院の看護師が向いていたことに気付いて後悔する人もいます。

転職エージェントに相談したり、ハローワークで適性検査を受けることもできる

このようなことにならないよう、転職を考えている企業の仕事が、本当に自分に合っているのかどうかを、前もって確認しておくことが大切です。

たとえば転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談してみるのもひとつの方法ですし、ハローワークに行って一般職業適性検査(GATB)を受けるのも参考になります。

また、自分が実際に企業で働いている場面をイメージして、「本当に自分に向いているだろうか?」と自分自身に問いかけてみることも必要でしょう。

自分のアピールポイントを見つける

アピールポイントがわかっていないと、応募時や面接時に印象に残らない

企業への転職に成功するためには、自分のアピールポイントが何なのかを、明確に把握しておくことが大切です。

自分のアピールポイントがわかっていないと、書類選考や面接の際に、印象に残らない応募者として候補から外されてしまう可能性があります。

自分のキャリアを振り返り、自己分析を行う

自分のアピールポイントを知るために、これまでの自分のキャリアを振り返り、自分に何ができて、どんな点で企業に貢献できるのかをまず把握しておきましょう。

自己分析をしっかりと行うことは、書類選考や面接突破のための王道ともいえるぐらい、大事なことです。

「自己分析なんて面倒くさい」と感じる人もいるかもしれませんが、それを行うことで自信をもって採用試験に臨むことができるので、「転職に成功するためには絶対に必要なこと」と思ってがんばりましょう!

転職のプロに相談しながら進めるのも、ひとつの方法

自己分析のやり方が難しいと感じる人は、転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談しながら進めるのも、ひとつの方法です。

転職のプロに相談しながら自己分析を行うことで、自分では気付かなかった自分自身の長所に目覚めるなど、プラスアルファのメリットもあるでしょう。

仕事に必要な資格をできるだけ取っておく

転職を考える企業の業務に役立つ資格を取っておくことも、採用試験の際の大きなアピール材料になります。

たとえば産業保健師であれば、「第1種衛生管理者」や「MOS(マイクロ・オフィス・スペシャリスト)」「TOEIC」「産業カウンセラー」「メンタルヘルスマネジメント」などの資格を取っておくと、選考の際に有利に働きます。

現役の看護師として忙しく働いている人は難しいかもしれませんが、時間に余裕のある人は、できる範囲で資格をとっておくと良いでしょう。

紹介してもらえそうな知人を探す

企業の医務室の求人などは、欠員が出た時点で採用担当者が社員に対して、「誰かいい人いない?」と声をかけているケースも少なくありません。

そういう求人を鋭くキャッチするために、日頃から企業に勤務している知人などに「求人が出たら教えてね」とお願いしておくのも、ひとつの方法です。

まとめ

企業で働く看護師さんについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?

「自分は企業の看護師が向いているかもしれない」と思った人もいるでしょうし、「給与面を考えると、やっぱり病院に勤めていたほうがいい」と考え直した人もいるかもしれません。

病院と企業とでは、運営の目的も仕事内容もまったく違います。その点をよく考えて、自分の適性や年収面なども考慮しながら、慎重に転職を考えましょう。

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